Sweet Lover ~幼馴染とバレンタイン~
わたしはいたって平凡な大学生。
みんなからは唯華って呼ばれてる。
大学へ通うために上京してきてもうすぐ1年になろうとしている。
そんなもう少しでバレンタインになろうとしている今日。
わたしは来るバレンタインに向けて、特別なチョコレートを作っている最中だ。
このチョコレートはわたしが密かに想いを寄せる1人の幼馴染に向けて作っている、そんな特別なチョコレートだ。
その幼馴染は、わたしと同じ地元で育ち、地元では家は真隣で小さいころから付き合いがある蓮くん。
蓮くんはわたしと同じ大学に通っている同級生でもあって、席は偶然隣同士なんだ。
ちなみに蓮くんのスペックは、イケメンで優しくって、身長も本人曰く180cmちょうどの高身長。
あっ、ちなみにわたしは150cmちょうどだよ。
蓮くんと最初に会ったのは小学低学年のころ。
わたしが親の都合で引っ越してきた隣の家に住んでいた蓮くん。
引っ越してきたっばかりで友達のいなかったわたしに話しかけてくれて、それ以来ずっとよく遊んだり話したりする、いわゆる仲のいい幼馴染って関係だ。
そんなある日、わたしが消しゴムを忘れて困っていると、それに気づいた蓮くんが1つしか無い消しゴムを2つに割って半分をわたしにくれたんだ。
その瞬間、わたしの中に不思議な感情が芽生え始めた。
この出来事があってから、なんでか分からないけれど、蓮くんのことが気になり出したんだ。
この後、ことあるごとに蓮くんがわたしを助けてくれたり優しくしてくれたり。
そんな蓮くんの優しさに触れていくことで、この感情が恋心であることを認識していった。
そんな中、実家を離れ偶然にも蓮くんと同じ大学に進んだことで、同郷で幼馴染ということもあり、さらに蓮くんと一緒に過ごすことが増えていき、蓮くんのことを今まで以上に意識してしまうようになっていった。
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そんなこんなで蓮くんにあげる特別なチョコレートも完成して、いよいよバレンタイン当日。
「蓮くん、今日授業終わったら、ちょっと残って欲しいんだ。」
勇気を振り絞って蓮くんに伝えることができた!
すると・・・
「実は僕からもなんだけど・・・、唯華、今日残ってもらえないかな?」
「えっ!?もっ、もちろんっ!」
まさかの返しに動揺しつつも、わたしはそう返した。
それからというもの、ずっとドキドキしていて、今日一日授業は一切頭になんて残らなかったし、友達と話した内容だって覚えていない。
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そしてついにやってきてしまった放課後。
夕日が差し込む教室に二人っきり。
わたしから話そうと思ったのに緊張でなかなか話しかけられなくて・・・。
そしたら蓮くんから切り出してくれた。
「残ってもらってごめんね。 どうしても伝えたいことがあって。」
「ううん、いいよ。」
「あの、さ、唯華・・・、実は僕唯華のことが・・・///」
「・・・」
「唯華のことが好きなんだ!///」
「え!?えぇーー!?!?」
一気に顔が熱くなってきた。
もう今頃顔は真っ赤に染まっているはずだ。
「ダ、、ダメかな??///」
蓮くんも顔を紅潮させながら、普段からは想像できない、子犬がおやつをねだる様なかわいい目をわたしに向けながら尋ねてくる。
「蓮くん、、、実はわたしも蓮くんのことが好きなの!///」
わたしはそう言いながら蓮くんにチョコを差し出す。
もう心臓がバクバクだし、チョコを差し出したと同時に閉じた目も開けることができない。
すると・・・
「え!? 唯華!! 本当!?!? やったぁぁぁーーー!!!!」
その声が聞こえ目をゆっくりと開ける。
そこにはほんのり頬を紅潮させ万遍の笑顔を浮かべながら、差し出したチョコを受け取る蓮くんの姿があった。
「これ、僕のために作ってくれたの? ありがとう///」
そう言って頭をポンポンしてくれた///
そして、
「これからよろしくねっ!」
そう言ってギュッとハグをした///
ここからわたしたちの新たな物語がスタートしたのだった。