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ささやかな幸せを大切に

少し焦げてしまったけど形はまずまず綺麗にできたオムレツは自分の前に、でも、ミコナの前にはスクランブルエッグ。


それに気付いたハカセは、


「上手にできた方を食べなくてもいいのかい?」


ミコナに尋ねました。だけどミコナは、


「いいのいいの、お父さんに食べてほしいから」


と、笑顔で。そんな様子にも、ハカセは、


「ありがとう。ミコナは優しいな……」


目を細めます。


本当は、もっと我儘に振る舞ってくれてもいいと思うのに、ミコナの優しさが沁みる。


だけど、ミコナ自身がそれを望んでるなら、


「じゃあ、ありがたくいただきます」


ハカセは少し焦げたオムレツを口に運びました。それをゆっくりと味わって、


「うん、美味しいよ」


笑顔で感想を。それは決して、お世辞でも気を遣ったのでもありません。確かにプロが作ったものには及ばなくても、家で食べる分には本当に充分に美味しかったからです。


「よかったぁ♡」


ミコナも安心したように笑顔になりました。


「ええなあ、ホンマにええ光景や……」


ティーさんはおいおいと涙を拭いながら。


「まったくだ……」


ウルも目に涙を光らせつつ頷きながら。


「う~……」


ガーはポロポロと涙を流しながら。


それぞれ、感慨にふけっていました。


『たかがそんなことで』


と言う人もいるかもしれません。でも、ミコナ達にはこういうささやかな瞬間こそが幸せなんです。


平和な世の中でも、辛いことはたくさんある。ママが亡くなったこともそう。だからこそ、こういうささやかな幸せを大切にしたい。


『大袈裟な奴らだな……』


そんな風には思いながらも、オウも静かに見守ってくれていたのでした。



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