<科学>というアプローチ
リビングでアニメ映画を見ているミコナを透明な壁越しに見守りつつ、ハカセは発明のための研究を続けます。
今、しているのは、さっきも言ったとおり、
<かぷせるあにまる用に作った超小型マナ変換炉を利用したお掃除ロボット>
です。マナをエネルギー源とし、しかも回収したゴミもマナに変換することで、充電なしで動き続けるという。
でも実はそれ以上に集中してるのが、かぷせるあにまるの改良。
いずれは<帰ってきた魂の依り代>として世に出す予定なんですが、計算通りの容量が確保できてなくていくつもに分かれてしまうのでは、ミコナやハカセ自身はまだそれで納得できていても、みんながみんな、満足してくれるはずもありませんから。
ちなみに価格は、今、依り代としてよく利用されている三分の一スケールの着せ替え人形より少し高いくらいを予定してます。
ただし、今の時点では、一体当たり、三倍近いコストが掛かってますが。
世知辛い話ですけど、<マナに満たされた世界>でも、それですべてが解決するわけじゃないんですよね。
今の暦になる以前、一万年以上前には<魔法使い>と呼ばれる人達がいて、マナを<魔法>という形で利用していたらしいと分かっているんですが、残念なことに人間は<魔法を司る器官>が退化してしまったそうで、それを活性化させる研究も行われてはいるものの今のところ上手くいっていないそうです。
けれど人間は、<科学>というアプローチでマナの利用に成功しました。それによって今の繁栄を手にしたわけですね。
ちなみにこの世界には、マナを餌にして増殖する微生物が数多くいて、それらは、命が尽きると、酸素、水素、窒素、炭素、鉄、銅といった各種元素を含んだ鉱物や液体へと変化するのでした。




