ミコナとかぷせるあにまるず
ハカセとミコナから、自分がいなかった間の話をたくさんたくさん聞いて、ルリアは、
「私の知らない話がこんなにたくさんあるのはちょっと残念だけど、これからまたたくさん一緒に経験していけばいいよね」
笑顔でそう言いました。
それと同時に、ウルやティーさんやガーやオウやフカに分かれていた時に経験した、タムテルやサンギータやヴァドヤ達のことも思い出します。
何もかもが綺麗に解決したわけじゃありませんけど、今でもフカやティーさんやガーがそれぞれの様子を見に行ったりしてますけど、何もかもが綺麗に解決するわけじゃないというのはいつの世の中だってどんな世界だってきっと変わらないんでしょうね。
だから結局、その時その時でできることをしていくしかない。
どんなに立派な人でもどんなに偉い人でも、すべてを都合よく作り変えてしまうなんてことはできないんです。無理にそんなことをしようとしても、誰にとっても都合のいい世界なんて作れないんですから、やっぱり誰かがつらい思いをしたり悲しい思いをしたり苦しい思いをしたりということはあるでしょう。
その中で何を掴むか、何を作り上げていくか、何を生み出すか、そういうことなんでしょうね。
「そうだ、これからは僕たちもいる」
「せやせや、ワイもいまっせ」
「ボクも……」
「俺を崇めよ!」
「…なに言ってんだ、お前?」
ウルとティーさんとガーとオウとフカが口々に声を上げて、
「私も、いていいですか?」
カリナが遠慮がちにそう言うと、
「当たり前だ!」
オウとフカが声を揃えたんです。それがなんだかおかしくて、ミコナもルリアもハカセも笑顔になってしまいます。
すると、リビングの出入り口のところから、<猫のルリア>も様子を窺うように覗き込んでいて。
今、たくさんのかぷせるあにまるが世界中に広まっていって、それぞれに小さなドラマを繰り広げているでしょう。そのすべてが必ずしも楽しいものとは限らないかもしれない。だけどかぷせるあにまるが来たからこそ生まれた笑顔もきっとあるはずなんです。
笑顔を作り出すのもそうじゃなくすのも、最終的には人間次第なんでしょうね。
だからミコナも、みんなと、たくさん言葉を交わして想いを交わして数えきれないくらいの思い出を作っていこうと思いました。
それが『生きる』ということなんだと、ミコナ自身も分かってきたんです。
「みんな、ありがとう。私、みんなと会えて嬉しい」
心からそう言えたのでした。そこに、
「ミコナ~♡」
家の外から声が。ルイネとエンファ、しかも今日はエティトとルプスまで。
「いらっしゃ~い♡」
「いらっしゃい」
「きたんか~」
「いらっしゃい」
「うむ!」
「よう……」
ミコナとウルとティーさんとガーとオウとフカで出迎えて、また楽しい時間が始まります。




