ホントに平気だから
エティトとルプスに悪気があったわけじゃないのはミコナにも分かっていたし、一部始終を見ていた先生にも分かっていました。ただ、先生は、
『あ、そのことには触れないで……!』
内心でそう思ってしまっただけです。だけど、エティトもルプスも子供だから、まだ10歳だから、そこまで細かい気遣いができなかっただけで。
でも、二人とも、自分の無思慮がこの騒ぎを招いたことには気付いたようなので、先生も敢えて口出しはしませんでした。気付いていないようなら、改めて<指導>する必要もあったでしょうけど、ミコナに謝るくらいには気付けているので、また次、同じようなことをしてしまったとしたらその時にということでいいでしょう。
何より、当のミコナがそんなに気にしていないから変に干渉すると逆に話が大きくなってしまったでしょうし。
折を見て、エティトとルプスには、
『そういう時はそっとしておくのがいいんですよ』
とは告げて、補足しておこうとも思っています。
こうして、女子サッカー部の練習に参加したエティトとルプスを見届けて、ミコナとルイネとエンファは三人で一緒に帰ります。
「大変だったね」
学校を出てしばらく行ったところで、ルイネが口を開きました。それまではほとんど黙ってて、ようやくって感じですね。
「本当。びっくりしちゃった。こんなことになるんだね」
エンファもホッとした様子で。
するとミコナは、
「そうだね。大変な事件だったから仕方ないかもだけど、私もびっくりしたよ」
さすがのミコナも苦笑い。
その上で、
「でも、私はホントに平気だから。お父さんもいるし、今はウル達もいるからさ」
笑顔で言います。
ルイネとエンファを気遣ってるというのもありますけど、何より本当にハカセとウル達と、カリナがいてくれれば大丈夫だったのです。




