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せっかくの気遣いを
「ごめんなさい。私がちゃんとドアを閉めていなかったから」
庭掃除を終えて戻ってきたカリナがミコナに謝ります。
「ううん、大丈夫。私も平気だから」
ミコナも手をひらひらと振って応えます。そこにルリアが、
「猫のルリアにはちゃんとマイクロチップとかをつけてあるからもし迷子になったとしてもすぐに探せるんだけど、それとは別に外に出ちゃったら事故とかの可能性もあるからね。それで言うとミコナの気遣いは正解だったよ。私からもありがとう」
ここでミコナの努力を嗤うようなことをしたら、
『誰かを気遣ったら嗤われる』
と彼女が感じてしまうかもしれません。そんなことになったら悲しいじゃないですか。せっかくの気遣いを嗤ったりしてて、それでどうして気遣いができる人に育ってくれると思えるんですか。
ルリアもハカセもちゃんとそれを分かってる人だから、ミコナも気遣いができる子に育ってくれてるんですね。




