改めて始動
カリナからこの家のことをたくさん聞いて、ウルもティーさんもガーも、そしてオウも、それぞれ何か思いを馳せているかのように目をつぶったり腕を組んだり俯いたり遠くを見詰めたりしていました。
<ミコナのママ>として過ごすことができなかった時間が、記憶が、そこにはあったんです。
そして、カリナの話が一段楽した時、ウルが言いました。
「<ミコナのママ>として過ごせなかったのは、すごく残念だ。こうして話を聞いてるだけでも見たかったその場にいたかったエピソードばっかりだったと思う。
だけど、過ぎたことをいくら嘆いたって過去に戻れるわけじゃない。それでも僕たちは、今、ここにいるんだ。だったらこれからたくさんみんなで一緒に経験していけばいいじゃないか。
そうだろう?」
そのウルの言葉に、
「ウルはんの言うとおりや。ワイらはこうして帰ってきた。ハカセのおかげでな。五つに分かれてしまったのかて、その分、経験できることが増えたっちゅうこっちゃ。それを楽しまなもったいないやんか」
ティーさんが応え、
「そうだな。俺達はこれまでもこれからも前を向く。後ろを振り返ってる暇などないぞ」
オウが声を上げ、
「うん……!」
ガーが視線を上げた。
そんなみんなの姿に、ハカセの目が潤みます。ママそのものの姿に。
カリナまで両手で顔を覆って何度も頷いていました。
するとカリナに対してウルが、
「ここまでミコナとハカセのことを見てくれたカリナももうこの家の一員だ。仕事とか何とかは関係ない。だからこれからもよろしく」
言うと、
「はい……はい、こちらこそ、よろしくお願いします……!」
両手で顔を覆ったまま、応えます。
こうして、ミコナが学校に行ってる間ではありましたけど、改めて始動したのでした。




