現金なお人でっせ
そんな風に話をしながらどんどん餃子を作っていきます。
ところで、カリナはマスクをしてますけど、ウル達はマスクをしてません。これは、ちょうどいい大きさのマスクがないのと、<かぷせるあにまる>は生き物じゃないので、唾が飛ばないんです。なにより、<家族>ですし、ハカセもミコナもきにしないので。
あと、食事も必要ありません。活動するためのエネルギーは大気中の<マナ>ですから。
それなのに大皿いっぱいの餃子を作るのは、今日と明日の分だからですね。
ハカセは餃子が好物で、たくさん作って、今日のお昼、今日の夜、明日のお昼と、続けて餃子というのはこの家の日常でした。
「カリナはんも食べまっか?」
ティーさんが訊きますけど、カリナは、
「あ、いえ。私はお弁当を用意してますから……」
とのことでした。
ハカセはあまりその辺りは気にしてなかったのですが、カリナ自身が、
『仕事先のお宅の食材で自分の分も作るのはおかしいかも……』
と考えて、分けていたんです。
「そらそうか。ま、カリナはんがそう決めたんなら、それでかましまへん」
ティーさんがまた尻尾を振り振り言いました。
なんだか距離が縮まった感じの中、餃子を作り終えて、まずはお昼の分を焼きます。
残りは今日の夜と明日のお昼に。
「それーい!」
ウルのか掛け声で餃子をフライパンに並べ、カリナが焼きます。
水を投入して蓋をして、ジュウジュウという音がジリジリって感じの音になると、完成です。
「おーっ! これはええやん!」
お皿に移された餃子は綺麗にきつね色に焼き上がり、とても美味しそう。
そこに、
「今日は餃子ですか?」
匂いにつられてハカセが自分から部屋を出てきました。普段は呼ばないと出てこないのに。
「餃子の時だけはこれなんや。ホンマ現金なお人でっせ」
ティーさんが「やれやれ」と頭を振りながら言ったのでした。




