まどろっこしいわ!
「あの、私がやりますから……」
さすがに仕事で来てるお手伝いさんは、てきぱきと掃除を始めた<かぷせるあにまる>達にそう声を掛けました。
でも、ウルもティーさんもガーも、
「いいよいいよ。僕達もやりたいんだ」
「勝手知ったる我が家かなってことですわ」
「……」
ママの記憶がどんどん戻ってきて、うずうずしていたのです。
「でも、それでは私の仕事が……」
食事の片付けもミコナとハカセがしてくれる上に、家の掃除まで<かぷせるあにまる>達がするとなったら、それこそ自分がいる意味がなくなってしまう。
せっかく<先輩>がいた場所に自分もいられるようになったのに……
そんな風に思ったお手伝いさんの気持ちを察したのかどうかはともかく、
「ほな、玄関と庭掃除を頼んます」
ティーさんが指示を。
「みんなで手分けした方が早いからね。僕達は体が小さいから一度にたくさんのことができない。だからお手伝いさんにはこれからもお仕事をお願いするよ」
もうすっかり家の中まで仕切ってるウルが告げると、お手伝いさんも、
「あ、はい、分かりました……!」
姿勢を正して応えて、玄関へ向かいます。
それを見届けて、
「ほな、ワイは風呂掃除してきまっさ」
ティーさんが。さらに、ウルは、
「じゃあ、僕はトイレ掃除に行ってくる。ガーは、ゆっくりでいいからこのままリビングを頼む。お風呂とトイレが終わったら合流するから」
指示を出して、トイレ掃除に向かいました。
「……」
ガーは頷いて、リビングの天井を、お掃除用のワイパーで拭き始めました。
でも、性格なのか、すごく丁寧に拭くので、なかなか進みません。
すると、棚の上に鎮座して見守ってたオウが、見かねて、
「ええい! まどろっこしいわ!」
ガーが使っていたワイパーをひったくって、
「俺がやる! お前は電灯とかの掃除をしろ!」
命令して、足でワイパーを掴んで逆さまになってピューっと天井を拭いていったのでした。




