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それはなによりでんな
いつもの分かれ道までサンギータはミコナ達と一緒に歩いて、そこまでの間に、ティーさんといろいろ話します。
「お母はんの様子はどないでっか?」
「まあ、悪くはないんじゃないかな。昨日も肉たっぷりの野菜炒めを作ってくれたよ。美味しかった」
「それはなによりでんな」
ティーさんもやっぱりみんなと同じように幼い感じにはなりつつも、ティーさんらしい様子はそのままでした。だからサンギータもティーさんと一緒にいるとホッとするようです。ホッとするから素直に自分を出せる。そのサンギータが穏やかでいられてるということは、母親との関係もそれなりに上手く行ってるということでしょう。
ティーさんは決して、
『お母さんを大事にしなさい』
みたいな言い方はしません。サンギータの家庭のことを考えればそんな軽々しくは言えないからです。だけど、ティーさんが言わなくても上手く行ってるのですから今はただ見守るだけでいいんでしょう。




