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これで肩の荷が下りて

こうしてセイラからの<依頼>は完遂され、大叔母の魂を宿したかぷせるあにまるを手に、彼女はボディーガードに囲まれ帰っていきました。大叔母の未練についてはもう、セイラ達家族の問題です。代金を受け取り、依頼されていた品を確かに渡したハカセ達にはもう関係のない話です。


そして、


「ホントに完全に完成していたんですね。じゃあこれ。代金です」


エティトも普段と違って改まった様子で、裸のままポケットに入れていた、折れ目のしっかりついたお札を置いていきました。お小遣いやその他諸々の、彼女がコツコツ貯めてきたであろうそれを、ハカセとルリアは、


「ありがとうございました」


とやっぱり丁寧に応対し受け取りました。それは、対等な取引相手としての礼節に則ったものでした。


支払った金額はセイラの方が圧倒的に多かったですけど、セイラからの依頼はあくまで、


『かぷせるあにまるを完成させ、その完成品と製造方法を受け渡す』


というものだったので、ある意味では企業同士の取引のようなものだったからそれこそ家の一軒や二軒くらい軽く建てられるような金額になってしまっただけで、対等な取引という意味では、セイラもエティトも同じなんです。


こうして、かぷせるあにまるの製造と販売については今後、セイラの父親が運営する商社が取り仕切ることになりました。ハカセには売り上げの二パーセントが今後もマージンとして入ってくるという契約です。


とは言っても、かぷせるあにまるの需要は計り知れないので、たった二パーセントが大変な金額になる可能性も高いですけど。


けれど、これで肩の荷が下りて、


「はあ……やっとこれでミコナをかまってあげられる」


と呟いたハカセを、ルリアが、


「お疲れ様でした♡」


笑顔で労ったのでした。



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