セイラの秘密
「完成したのですね?」
ルリアとして挨拶したイルカ型のかぷせるあにまるを前に、さすがにセイラの興奮が隠し切れない様子で口にしました。
「はい。こちらが完成品になります」
一見するとカプセルトイ用のカプセルにしか見えないそれを示されて、セイラは、
「今ここで試すことができますか?」
と尋ねます。けれどさすがにそれに対してハカセは、
「はい、それはできますが、宿らせたい方の魂をしっかりと呼ばないと、他の方の魂が宿ってしまうことも……」
そう説明したところに、
「こんにちは~!」
挨拶しながら入ってきたのは、エティトとルプスでした。エティトも完成を楽しみにしていたので、セイラの後に引き渡すはずだったんでけど、
「待ちきれなくて早めに来ちゃったぜ」
「にひひ♡」という感じで笑いながら言ったのです。それに対してセイラは、
「……いいでしょう。どうぞお好きに」
言って、ハカセに向き直ります。そして、
「魂の件であれば、問題ありません。宿していただきたい魂は、ここにあります」
自身の胸に手を当てたのです。
「え……?」
「マジ……?」
「は……?」
ハカセとエティトとルプスが唖然とします。さらにセイラは、
「私は、お祖母様の双子の妹の魂を宿しているんです」
と告げて。
「マジに人生二周目だった……?」
「ええ……?」
エティトは、『納得がいった』という表情でセイラを見ました。だけどさすがにルプスは驚いています。そんな中で、
「やっぱり……」
と口にしたのはルリアで。
「一目見てなんとなく近いものを感じたから」
とも。セイラがリビングに入ってきた時に予感めいたものを感じていたそうです。




