表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
452/830

そういうことやと思といたら

そうです。ティーさんが目指しているのは、家に帰ってこない父親はもう脇に置いて、サンギータと彼女の母親との関係が、今よりちょっとだけ改善すれば万々歳というものでした。サンギータの抱えるすべての問題を解決できるだけの力を持ってるなんて思い上がっていません。


『お母さんとこうやって一緒に食事ができるようになれば十分でっしゃろ。サンギータはんは自分より弱い相手をイジメるようなお人やあらしまへん。なんか嫌なことがあったらワイに愚痴ってもらえばええ。お母さんに当たる必要はおまへんのや』


そう考えているだけなんです。そしてそれだけでも、この娘と母親の問題の大半は片付くでしょうね。


だってヴァドヤも誰かに対して攻撃的になるタイプじゃありませんから。ただただすっごく怖い感じに育ってしまった自分の娘に怯えていただけなんです。家のことが十分できなくたってハウスキーパーが週に一回、メンテナンスに来てくれます。それで家のことは何とかなる。


娘に怯える必要がなくなれば、ヴァドヤにとってこの家はちょうどいいシェルターですし。


ちなみに、学校の個人懇談とかをどうしていたかと言うと、それも、実は専門の代行サービスを行っている企業があって、そこに頼んで人を派遣してもらっていたんです。もっとも、サンギータにとってはそれも憤りの原因の一つでしたが、


『親のクセに親としての仕事もしないのかよ!!』


という形で。でもそれについても、


「まあまあ、世の中には先生とかと面と向かって顔を合わせるのが怖いってお人もいるんやし、そういうことやと思といたらええですやん」


となだめてくれていたのでした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ