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今度はハンバーグ

こうしてサンギータがデスメタルを披露している間、ガーはヴァドヤと一緒に夕食の用意をしていました。今度はハンバーグです。でも、ヴァドヤはやっぱり、タマネギを切ったりするだけで。

それも、涙が出てきてぜんぜん捗らなくて。だけどガーはそんなヴァドヤに対してもただ待ってくれるだけです。待ってる間に他の準備をする。

その上で、タマネギをヴァドヤに炒めてもらいます。

「あの……」

不安がる彼女にガーは、

「大丈夫。慌てなくていいよ……」

穏やかに声を掛けました。そうして弱火寄りの中火でタマネギを炒めていきます。ヘラでヴァドヤにかき混ぜてもらって。

「飴色になるまでって言われるけど、タイミングがずれると焦げるから、そこまでしなくていい……」

あくまで今回は経験してもらうだけ。上手に作る必要はない。そういうことですね。

こうして色が変わっただけのところで終わって、ボウルに入れた合い挽きミンチとパン粉と牛乳と卵と炒めタマネギとを投入。ディスポーザブル手袋を着けてかき回していきます。

最初はおっかなびっくりだったヴァドヤも、慣れてくると楽し気に。

「これくらい粘りが出たら食べやすい大きさにまとめていって……」

ガーと一緒に粘土細工を作るみたいにして、タネを作っていきます。だけど大きさが全然揃わなくて、すごく大きかったり、ミニハンバーグみたいだったり。

だけどこれも構いません。

「本当は『寝かせる』って言って時間を置くんだけど、今日はこのまま焼くね」

言いながらガーが、弱火にかけたフライパンに、ヴァドヤと一緒に並べていきます。

「いろいろ言われるけど、弱火で焼くのが一番失敗がなくていいと思う……」

そう言って耐熱ガラスの蓋をフライパンに被せたのでした。蒸気も利用して火を通すためです。