表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/830

昔を思い出すね……

そうして、リビングでウルとティーさんとオウが熱く語り合ってる間、フカはどうしていたかというと、家の外に出て、周囲を警戒していました。


またあの泥棒のような輩が現れないかと考えて。


だけど、ここアニマシティは、普段はとっても平和な街。今回のような泥棒が出ただけでも実は大事件なのです。


それでも、ゼロということは確かにないので、フカはそんな<万が一>に備えようと思ったわけですね。


『悪い奴は許せない!』


フカはあくまでそう思ってるだけ。


でも、そのフカ自身が乱暴なところもあるわけで、そういうのが苦手な人から見れば、フカ自身が、


『怖そう』


だったり、


『悪そう』


だったりするするわけで。そういうことに気付ければもう少し落ち着けるのかもしれませんけど、こういうのって、自分では分かり難いですよね。


取り敢えず、フカは好きでやっているのでそっとしておきましょう。


するとその時、家のドアが開いて、誰かが出てきました。


ハカセでした。ハカセの仕事部屋というか研究室というかには、直接外に出られるドアがあるのです。


そしてハカセは、時々、気分転換のために外に出ることもある。


それは、ママが亡くなってからの習慣でした。ママと結婚する前なんか、発明に没頭するとそれこそ何日も部屋から出てこないことがよくあったのです。


だけどある時、ハカセが部屋の中で倒れてることがあって。


自分の体力の限界を超えているのも気付かずに集中してて、気を失ってしまったという。


だからママが、


「私がついてないとあんた死んじゃうよ? そんなわけで私と結婚しなさい!」


と迫ったのです。


なのにハカセは、


「僕は、結婚とか、向いてないから……」


と言って断ってた。


するとママは、ハカセが部屋にこもって出てこないとなると、窓から見えるところに立って、何時間もそうしていたのです。


それでハカセが出てくるのを待った。


「なんか、昔を思い出すね……」


外で見回りをしていたフカに、ハカセはそう話しかけたのでした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ