表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
426/830

強そうに見える

「え……?」


ティーさんに、


『ワイにはサンギータはんの方が強そうに見えるんやけどな……』


と言われて、サンギータはハッとなりました。そう言われて初めて、彼女は自分と母親の力関係に思い至ったのです。


『あれ……? 言われてみたら、あいつ、私にケンカで勝てるか……?』


と。


確かに仮にも<母親>ですし、この家を一応とはいえ管理しているのは母親です。もっとも、週に一回、ハウスクリーニングの業者を呼んで、サンギータの部屋以外は掃除してもらっているので、果たしてどこまで管理していると言えるのかは微妙でも、少なくともサンギータはやってないので、母親がしてる形にはなっているのでしょう。


そういう意味でこの家での立場は母親の方が上だとずっと考えていたものの、実際の腕力とかでは、小学生としては大柄なサンギータと、大人の女性としては小柄なヴァドヤとでは、もはや大きな差はないかもしれない。それどころか、気迫の点でヴァドヤは間違いなくサンギータに大きく水をあけられている。


力関係はもうすでに逆転している可能性が少なくないんです。


学校でも教師には食って掛かることもあるサンギータですけど、大人でも明らかに弱々しい相手や物腰が柔らかい感じの相手にはそんなに強く食って掛かることもしませんでした。彼女が敵認定するのはいかにも力で自分を押さえ付けようとしている相手。


それで言ったら、母親はどうなんでしょう?


「え……あ……」


それに気付いた瞬間、彼女の中から何かが転がり落ちるみたいにして消えていきました。


「はは……なんだよ……そういやあいつ、あんな弱っちい奴だったじゃん……」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ