これは予行演習だ
オウの態度はミコナにとってあまり好ましいものじゃなかったとしても、オウと同じ考え方をしてる人はこの世にたくさんいるでしょう。だからオウだけを変えても同じようなことを言われることもあるかもしれない。
なので、『これは予行演習だ』とウルは考えることにしました。
そして、フカのことも。
いくらこちらから歩み寄ろうとしても余計に壁を張り巡らせようとする人もこの世にはいる。
だったらオウと同じように予行演習と考えれば。
完全な赤の他人と違ってまるっきり関わらないようにするのは難しいけど、だったら身近にそういう人がいた時にどう距離を取ればいいのか学ぶチャンスかもしれない。
オウやフカのことでミコナが辛くなっても、その分、自分達が支えればいい。
責任感の強いウルは、そう思いました。
お風呂の後、ミコナはガーと一緒に本を読んで過ごし、大きなあくびをしたかと思うと、
「そろそろ寝なくちゃね」
と立ち上がります。誰に何も言われなくても、夜の九時過ぎには寝る。
その頃には眠くなるからというのもあるでしょうけど、本当にできすぎなくらいによくできた子供でした。
ミコナは。
そこに、
「寝るかい……?」
ハカセが自分の部屋から出てきて声を掛けます。
お風呂には一緒に入ってくれないハカセだけど、寝る時には一緒にいてくれるのです。
でも今日は、
「あ、うん。大丈夫。ガー達がいるから。パパはお仕事しててくれていいよ」
笑顔で返します。するとハカセも、
「そうか…」
と応えて、ウル達を見て、
「じゃあ、ミコナのことは頼んだよ……」
穏やかな感じで言ったのでした。
「うん、もちろん」
「任されましたで」
それから、寝る用意をして、寝室に行って、
「おやすみなさい」
「おやすみ」
「おやすみ~」
就寝の挨拶をしてベッドに横になったミコナと一緒に、ガーとウルとティーさんも添い寝を。
安心した様子のミコナは、すぐに「すー…すー…」と寝息を立て始めたのでした。




