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何も抱えてなかったら

一方、ミコナを学校まで送るのはフカの役目なので家で待っていたティーさんでしたけど、


「サンギータっちゅう子、この子もたいがいしんどい思いしてるみたいでんな」


下校中に撮った写真のなかに写り込んでたサンギータの画像を見ながら、ティーさんはウル達と話をしていました。


「確かに、何も抱えてなかったらこんな格好はしないだろうからね」


ウルが困ったような表情でそう言います。


「……」


ガーはそれこそ怯えた様子で見るだけですけど。こういうタイプは苦手ですから。実際に暴力を振るってくるわけじゃないんですけど、印象としてはやっぱり『怖そう』なのは偽りない事実ですし。


なのでそれについてはこの場は置くとして、ティーさんとウルは、


「ええ子なんは間違いないんや。ただ、やり方は巧いとは言えんと思う」


「そうだな。この子自身にとっても、必ずしもプラスとは言えないだろうね。現にガーもこうして怯えてる。第一印象で損をしてるのは確かだと僕も感じる」


「いうて、『そんな恰好はやめとけ』言うたかて聞くようなタイプやおまへんしなあ」


「だな。逆に意固地になるだけだろう」


とやり取りしてました。そこに、


「フカもお前達も、他人を構い過ぎだ。お前達は本来ミコナの母親なのだぞ? 他所の子供にかまけている場合か。ミコナのことを考えろ」


オウが口を挟んできました。けれどティーさんは、


「ミコナはんはそこまで心配要らんやおまへんか。困ったことがあったら言うてくれるんやし、表情見ても分かりやすい。けど、フカはんが気にかけてる子もサンギータはんも、ミコナはんの身近にいる子や。なんかあったらミコナはんにまで累が及ぶかもしれへん。気にかけんのは当然でっしゃろ?」


そう言い返したのでした。



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