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今日はどうやって

今のままではいずれタムテルが道を踏み外すのは明白でしょうね。でも、確実に対処できる人がいない。ここでミコナが彼を救えばお話としては盛り上がるかもしれませんが、そんなに上手くいくでしょうか?


イジメというのは、そういう形でも起こるんじゃありませんか?


問題を抱えた子に、未熟で対処法も知らない同級生をはじめとした周りの子供達が場当たり的な対処をしようとして余計に問題を拗らせて感情も拗らせて、威圧したり暴力をふるったりしてそれで解決しようとするから、


『イジメられる側にも問題がある』


とかいう話になるんじゃないですか? イジメてた側も、自分なりに問題を解決しようとして始めたことがエスカレートして、目的と手段が逆転してしまった。


問題を解決しようとして強い態度で臨んだけれど、解決どころか相手も余計に意固地になって、それでやがて『強い態度で臨む』という問題解決のための手段そのものが目的化して、ゴールが見えなくなってしまう。


『大人が問題の原因を作ってるのに子供にそれを解決させようとして上手くいくわけないよな……』


フカは、自分の中に湧き上がる感情を木にぶつけることしかできないタムテルを見ながら、思いました。


だから放課後、ミコナはティーさんに任せて、フカはタムテルの後を追いました。


そしてまた公園に立ち寄ってやはりアリの巣を見詰めていたタムテルに、


「よう、今日はどうやってアリをいたぶる?」


話し掛けます。


「……」


だけどタムテルは応えません。アリの巣に木の枝で少しずつ砂をかけてアリが右往左往するのを見ているだけなのでした。



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