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公園へと

タムテルは、校門を出ると自宅の方へとは向かいます。それをフカも、鳥のように上空から確かめる。


けれどタムテルは、学校が見えなくなって他の生徒の姿も少なくなると、公園へと入っていきました。公園で遊んでいくのかと思うと、遊具にはまったく目もくれず公園の中と外を隔てる生垣の辺りにしゃがみこんで、落ちていた小枝を手に取り、それを地面に突き刺しました。


そこにはもともと穴が開いていて、アリが出入りしていました。アリの巣でした。突然の出来事にアリは慌てたように行き交います。巣穴に突き立てられた小枝を撤去しようとしてか、噛み付くのもたくさんいました。だけど、アリの力ではびくともしない。


「……」


タムテルはそんなアリの様子を、黙って、無表情で見詰めています。楽しそうにしてるとか、そういうのでさえない。ただただ、アリの困っている様子を見ているだけ。


そしてしばらく経つと今度は、小枝をつまんで引き抜いて捨て、自分の水筒を手にして、蓋を取り、中の水を流し込み始める。


当然、アリはパニックになり、すごい勢いで右往左往。


でも、実は人間の目にはそう見えるだけで、普段から雨などが降るのですから、突然の水に慌てているだけとも言えますね。アリの巣は、完全には水没しないようにできていますし、当然のように水が浸入してくればそれに対処もします。水を流し込んでも影響は限定的なんです。


ただ、見えている部分ではパニックを起こしているようにも感じられるので、タムテルにとっては意味があるのでしょう。


アリが苦しんでいる困っている姿をただ見ていたいという意味で。



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