その上で余裕があれば
ソリティには、ミコナにとってのルイネやエンファのような友達がいません。それがなぜかは、明白です。だって、ソリティはミコナのように他人を受け止められないんですから。
ソリティにとって他人は、自分の思い通りになってくれるかそうじゃないかだけの存在でしかなく、思い通りになってくれないなら必要ないから。
だけど、ソリティの両親でさえそうだったように、血の繋がった肉親でもそうだったように、自分以外の人が自分に都合よく動いてくれることなんてめったにないんです。
ミコナにとってのルイネとエンファでさえそう。
けれどミコナはそんな二人を受け止められるから友達になれた。友達を続けられる。対してソリティはそれができない。
嫌ですよね、一方的に自分の都合ばかり押し付けてくる人って。中にはそういうのさえ受け止めてくれる人もいるけれど、そんな人はめったにいないですよね。
ソリティにとってのアルマでさえ、彼女を受け止めきれなかったから、お互いに気になりながらも、よそよそしくなってしまった。
ウルとティーさんは、それが分かっているから、とてもいい友達を見つけられたミコナに安心しているんですね。
その上で、慎重にミコナの様子を見守りながら、ルイネとエンファの様子も見守ります。よその子だからミコナに対してほどは深く関わることもできないですけど。
だって、ウル達はミコナのママであって、ルイネとエンファのママじゃないんですから。
あくまで、ミコナを見守ってその上で余裕があれば力にもなりながらも、すべての責任までは負えない。自分の子供とよその子供を完全に同列には扱えないんです。
親ですから。子供達を平等に扱う責任があるのは、教師とか保育士とかです。
そして、だからこそ、人としての在り方を教えるのは親の役目なんです。




