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ただの機械でない

一方、学校に向かったミコナに、フカが話しかけます。


「お前は、本当に大丈夫なんだな…?」


玄関でハカセ達と話していた内容は、フカにも聞こえていたようです。


するとミコナは、


「大丈夫か大丈夫じゃないかって言われたら、ほんとは大丈夫じゃないかな。みんなと別れるのは、私だって嫌だよ……」


少し寂しそうに微笑みながら、そう言いました。


これも、ミコナの偽らざる本音です。みんなと別れるのは、当然悲しい。でも、だからってそこで泣き喚いても、何も解決はしないんです。ミコナはそれが分かっているだけ。


そういうところが子供らしくないといえばそうなのかもしれませんが、これがミコナなんです。


フカも、


「ルリアの死がお前をそんな風にしてしまったのだとしたら、ルリアも罪深いやつだな……」


そんなことを言います。だけどそれに対しては、


「違うよ。ママは何も悪くない。ママだってつらかったから、こうして戻ってきてくれたんでしょ? 全然気にしてなかったら、魂が戻ってくることもないんだよね?」


ミコナはきっぱりとそう言いました。


これにはフカも、


「そうだな……お前の言うとおりだ……すまん……」


素直に謝りました。フカも、今の自分になって時間が経つほどに、少しずつ変化しているようです。最初は子供のように意固地な部分が多かったフカですけど、それだけじゃなくなってきている。


その点からも、フカ達がただの機械でないことは、確実です。とはいえ、つっけんどんで愛想がなくて口が悪いのは、相変わらずですけどね。


だけどそんなフカのことも、ミコナはちゃんと好きです。だからこそ、こうして正直な話もできるのです。



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