表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/830

ママから受け継いだもの

『俺はお前達とは慣れ合わない』


その言葉通りというかその言葉を体現しようとしてるというか、オウはリビングの壁に設けられた棚に陣取って皆を睥睨するみたいに見下ろしていました。


「やれやれ、めんどくさいお方でんなあ」


ティーさんがそんなオウを見て首を振ります。<首>と言うか、体全体ですけど。


「仕方ない。オウのことは放っておこう」


ウルも諦めてそう言いました。


「……」


ガーは不安そうにミコナの手の中で視線を泳がせます。


けれどミコナもハカセも、


「問題ないない」


「そうだね。このくらいなら」


余裕の表情。それは、リビングの出入り口の影で背中を向けてるフカのことも含めてでした。


ママが人生経験を積む中で自分を作り上げていったのが、こうして五つに分かれてしまったことでうまくバランスが取れなくなってるだけだというのがハカセには分かってたし、ハカセが慌ててないから心配ないとミコナも感じているのです。


フカが宿してる<ママの一部分>についても、これからまた経験を積むことで落ち着いていくでしょう。


なぜならフカもまた、<ママ>なのですから。自分の中にあるそういう部分を、ママはちゃんと抑えられていました。そして、そういうママになれたのはハカセとミコナがいたからです。そしてここには、そのハカセとミコナがいる。


しかも今のミコナは、ママを見て育ったミコナなのです。ママから受け継いだものを持っている。


その、<ママから受け継いだもの>を、今度はフカに返していくだけ。


そんな中、いつものお手伝いさんが夕食を用意してくれていました。


「ごめんね、ガー。私、お手伝いしなきゃ」


そう言ってガーをテーブルの上にそっと下ろし、ミコナはハカセと一緒に、お手伝いさんが作ってくれたハンバーグやサラダをテーブルに運びました。


ミコナはいつものことですけど、ハカセも、発明に没頭してしまうとついついそっちばかりになってしまうけれど、今日みたいにリビングにいる時には、『自分のことは自分でする』のでした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ