表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/830

思いがけず生まれてしまった存在

『お姉ちゃん』


エティトはそう言いましたけど、


「え? エティトって一人っ子じゃなかったっけ?」


ルイネが思わずそう声を上げます。するとルプスが、


「ホントのお姉ちゃんじゃなくて、従姉なんだよ」


付け足してくれました。


「そうなんだ。でも私にとってはホントのお姉ちゃんみたいな人だったけどね。生まれつき病気があって、それで頑張ったんだけど、一昨年、亡くなってさ。魂はまだ戻ってきてないんだって。だから、お姉ちゃんの魂が戻ってきた時に、ちゃんとお話ししたいから、かぷせるあにまるが完成した時には、私から伯父さんと伯母さんにプレゼントしたくて。だから今年から、誕生日とかクリスマスのプレゼントは現金にしてもらうことにして、お年玉も貯めようと思ってる」


真っ直ぐにハカセを見詰めながら、エティトは堂々と言いました。彼女が本気でそう思ってるのが分かる姿でした。


「……そうか。じゃあ、頑張らなくちゃいけないね」


セイラだけじゃなく、エティトも<かぷせるあにまる>の完成を望んでいることに、ハカセも彼女を真っ直ぐに見詰めて、そう応えました。


『かぷせるあにまるが完成すると、ウル達がいなくなってしまう』


それは、他の、かぷせるあにまるの完成を望む人達にとっては関係のない話なのは、確かです。


ハカセ自身、ルリアに会いたかったのも事実ですけど、それによって他の人にも喜んでもらえたらというのも本当はあったんです。


でも、自信を持って稼働させたかぷせるあにまるにはルリアの魂は入りきらなくて五つに分かれ、ウルが、ティーさんが、ガーが、オウが、フカが生まれてしまった。


思いがけず生まれてしまった存在についてどう考えるか、ハカセには突き付けられてしまったということですね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ