表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/830

かぷせるあにまるず

『トカゲやない! ワイはT-REX! ティラノサウルスや!』


トカゲ、いえ、ティラノサウルス顔がついたそのカプセルがプンプンと怒ったように言い返したのに、ミコナは驚くどころか、


「しゃべった♡」


ぱあっと顔を輝かせて嬉しそうに手を合わせました。そして、


「ごめんなさい。ティラノサウルスさん。じゃあ、<ティーさん>だね」


笑顔で話しかけます。すると『ティーさん』と呼ばれた<かぷせるあにまる>は、


「お、おう。分かればええんや」


逆に気圧されたみたいに納得した様子でした。


なのに、それを見て、


「ケッ! 来た途端に懐柔されやがって。なさけねーやつ!」


なんだかひどく口の悪いのが。


サメの姿をした<かぷせるあにまる>だった。


だけどミコナはそれにも臆することなく、


「あなたはサメだから<フカ>だね!」


やはり笑顔で。なのに彼女に『フカ』と呼ばれた<かぷせるあにまる>は、


「安直な名前つけんじゃねーよ!」


と言い返す。


そんなフカに対してミコナが、


「ごめん、気に入らなかった?」


問い掛けるものの、申し訳なさそうに自分を見る彼女に、


「はん! 好きにしやがれ!」


ぷい、と顔を背けてしまった。


そこに、


「こらこら、僕たちはこれから彼女と一緒に暮らすんだから、もっとちゃんとしないと」


諌めるような物言い。


オオカミの姿をした<かぷせるあにまる>だった。その上で、


「よろしくね、ミコナちゃん」


礼儀正しく頭を下げる。


だけど今度は、


「サメの言うとおりだ。大衆に迎合するとか、言語道断!」


タカの姿をした<かぷせるあにまる>が、やっぱりつっけんどんな態度で言ってのける。


どうにもとっつきにくいタイプのようです。


そして、そんな五体の一番後ろで、トラの姿をした<かぷせるあにまる>が、泣きそうな表情でおろおろと。


「トラさん……あなたは<ガー>だね♡」


ミコナがそっと『ガー』と呼ばれた<かぷせるあにまる>を手にとって、労わるように頬を寄せたのでした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ