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質問

『お父さんとお母さんはどうして私を生んだんだと思いますか?』


ソリティのその質問は、人間という生き物の本質に切り込むような質問でした。


『どうして生んだのか?』


人間以外の生き物だったらそれは『本能に従って』とすぐに答えられるものです。だけど人間の場合は単純に『本能に従って』という形で生むことの方が少ないでしょう。


だから<子供を生む理由>は、それこそ夫婦の数だけあるに違いありません。


「それは……」


ソリティの挑みかかるような視線に少し怯んでしまって口ごもってしまったマインでしたけど、数秒の間を置いて気を取り直して、


「……ソリティさんのご両親があなたを生んだ理由までは私には分かりませんが、私はこう思うんです。大事なのはご両親がなぜソリティさんを生んだのかではなく、ソリティさん自身がどう生きたいかこそが重要なのだと。


私も、見ての通り体が小さくて、もう大人なのにしょっちゅう補導員に呼び止められたりするんです。だから、正直、こんな体に生んだ親を恨んだこともありました。


だけどそこで親を恨んでも私の体が大きくなるわけじゃありません。そして私にそのことを気付かせてくれたのは、高校の時の先生でした。先生は、私の愚痴にずっと付き合ってくれたんです。


もちろん先生にだって私の背を伸ばすことはできません。でも先生は私の言葉をずっと聞いてくれました。


私はそれに救われたんです。だから私も、ソリティさんの話を聞きます。なんでも話してください。それを聞くのが私の役目なんです。そして、一緒に考えていきましょう。ソリティさん」


と告げたのです。



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