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眠たいのに寝られないみたいな

ソリティの両親は、自分達が社会的に成功することを一番大事だと考えている人達でした。自分達が成功すればそれが娘であるソリティにとっても幸せなのだと思っているんです。


自分達が社会的に成功すれば経済的に豊かになり生活が楽になり贅沢ができて好きなものも手に入れられる。それが幸せだと本気で思ってるんです。


そして、自分達の娘なんだから、当然、自分達の考えに同調すると思ってる。


別に自分達が娘の相手をしなくても、アルマの両親が面倒見てくれると言うから任せてるし、アルマの両親がいなくてもお金があればシッターを雇えばいいと。何しろシッターは、子供の面倒を見るプロ。自分達よりもよっぽど適切な対処をするはずだと。 


だけど、ソリティが求めているのはそういうことじゃなかった。女子のグループをまとめていた時には、リーダーらしくあろうとしてあれこれお金を使ってオシャレをしたり、みんなにクレープを振る舞ったりということもしていたけど、セイラというすべてにおいて上位互換の相手が現れてしまったら、何もかも急にどうでもよくなってしまった。


何をやっても敵わない相手がいることを知って、自分が本当に求めているものがそこにはなかったと気付かされてしまったんです。


部屋に戻ったソリティは、ベッドに寝転がって思います。


『なんにも面白くない……なんにもしたくない……私……何のために生きてるんだろ……』


そして、


『このまま、寝てるうちに死んじゃえばいいのに……』


とも。


怖くもない。悲しくもない。眠たいのに寝られないみたいな、ただのジレンマみたいな感じで、生きることを諦めてしまっていたのでした。



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