思いっきり濃いのを
ミコナを送って帰ってきたフカを迎え、掃除は一旦中断してみんなでお茶にします。
「ミコナのこと、ありがとう」
ウルが、紅茶を用意しながらフカに声を掛けます。
「……別に。オレが勝手にやってるだけだ……」
やっぱり無愛想に応えるだけですけど、オウももうとやかく言いません。
「紅茶にしますか? それともコーヒー?」
カリナに問い掛けられると、フカは、
「茶だ。思いっきり濃いのを頼む……」
と、提示されたもの以外を。
だけどカリナは慌てずに、
「分かりました」
笑顔で応えて、お茶っ葉を用意、急須に入れてポットのお湯を注いだ。
実は、お茶請けとして煎餅も出されていたので、緑茶のリクエストも予想していたんです。
そして、フカの希望通り、少し時間を掛けてお茶を淹れました。色も香りも濃いお茶が湯飲みに注がれます。
「どうぞ」
差し出された湯飲みに、フカも、
「おう……」
と応え、まず、一口、ずいっと啜り、それから煎餅を手にとってバリバリと食べ、いえ、貪り始めました。
するとこれには、棚の上から、オウが、
「品のない食い方だ」
と呟きますが、フカはそれには構うことなく、黙々と煎餅を貪りました。
そんなフカを、カリナが笑みを浮かべながら見守ります。彼女は、フカがこうして一緒にお茶をしてくれたのが嬉しかったんでしょう。
一方、ウルはコーヒーを自分で淹れ、
「ワイも緑茶にしよっと」
ティーさんもそう言いましたけど、
「ワイはこのままでええわ」
フカのお茶を淹れた急須に残った茶葉をそのままにしてお湯を注ぎ、自分の分を。
それからやっぱり煎餅を手に取り、大きな口でバリバリと食べ始めたのでした。




