なかなかやるね
「うう……」
ミコナに見付かったガーは、泣きそうな顔で垣根から出てきます。
そんなガーを、ミコナはまたそっと手にとって頬を寄せて、
「頑張ったね、ガー。えらかったよ」
懸命に隠れようとしていたことを褒めてくれたのです。するとガーも、彼女の頬に体を寄せて、
「うん……」
小さくうなずきました。ホッとした表情で。
そして、ガーを手に、ミコナは改めて庭を見渡して、
「さあ、ウルとティーさんも見付けるよ!」
声を上げました。
「おー!」
ルイネとエンファも手を振り上げて応えます。
すると、ルイネがハッとした表情になって、
「ティーさん、みっけ♡」
指を指しました。
「え?」
ミコナとエンファが釣られて視線を向けると、確かに草の間で、丸い体をさらに丸めたティーさんの姿が。
「あやや、見付かってもうたかぁ」
観念したティーさんが尻尾をふりふり出てきて、ルイネが手に取りました。
「やりますなあ。負けですわ」
ティーさんがにやりと笑います。それを見たミコナが、
「じゃあ、あとはウルだけだね」
と言った時、
「あ、そこ!」
今度はエンファが、ホースのドラムを指さします。
と同時に、
「お見事。僕達の負けだ。なかなかやるね」
言いながらウルが姿を現し、ポーンと跳ね上がってエンファの手に乗った。
「じゃあ、今度はミコナ達が隠れるかい?」
ウルはそう言ったけど、ミコナ達は顔を見合わせて、
「ううん。私達はまた探すのをやりたいな。なんか楽しい♡」
そう言ったから、
「分かった、じゃあ、また僕達が隠れよう。いいね? ガー」
「う…うん…!」
不意に声を掛けられて慌てたガーも、表情はどこか嬉しそうだった。頑張って隠れてたことがミコナに認められて、それがやる気にさせてくれたのかもしれない。
「それじゃ、また、百数えてね」
言いながら飛び跳ねたウルに続いて、ガーとティーさんも跳んだのでした。