表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/830

自分のしてきたことは

「……」


ミコナの言葉に、フカは答えることができませんでした。


ただ目を逸らし、黙るだけです。


『オレはオレだ、ルリアじゃない』


そうは言ったけれど、だけどフカがミコナのママの一部だったことは間違いなく事実。ママとして自分がミコナとどう接してきたかも思い出されてしまいます。


他人を危険に曝すからながら運転は禁止されているのに、他人を危険に曝してでも、屁理屈を並べてでも、とにかく携帯端末をいじるのをやめられない。それくらいにただのちっぽけな機械に依存しないといけないなんて悲しい状態にミコナを陥らせたくなかった。そのためにどう努力してきたかも。


地図は立ち止まって見ればいい。歩きながら運転しながら動画なんて見る必要はない。SNSなんてやる必要はない。メッセージを読む必要はない。手が空くまでの数分数十分も返信を待ってくれないような人とは付き合わなくていい。


僅かな金額で買えてしまうのちっぽけな機械になんか依存する必要なんてない。


そのために世界の誰よりもミコナのことを認めて受け止めて許してきた。


ミコナが悲しんでる時、怖がってる時、不安になってる時、いつもママが傍にいた。ちっぽけな機械で自分を慰めなくて済むように。


自分が病に侵されていると知った時、悲しんでる怖がってる不安になってるミコナの傍にいてあげられなくなるのが何より辛かった。何より怖かった。


だけど、あのどうしようもなく不器用なハカセが、カリナの助けを得ながらでもなんとか上手くやってこれたのが、今のミコナの様子を見るだけでも分かる。


自分のしてきたことは間違いじゃなかった。


ルールを守らない他人を責めるんじゃなく、変えようとするんじゃなく、自分がちゃんとしようと思える人間に育ってくれてた。


フカは、それを実感させられたのでした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ