私はあんな風にしないから
ミコナは、今でこそゲームとかもしますけど、もっと小さかった頃は、テレビゲームとかそんなに興味もなさそうでした。それよりもママと遊んでいる方が楽しかった。ボードゲームは好きですけど。
だからテレビゲームとかにのめり込む必要がなかった。ママは、そういう形でミコナが満足するまで構ってくれました。
ママが亡くなってハカセだけじゃ十分に相手できなくなったことでテレビゲームとかにも頼ることにはなりましたけど、ルイネやエンファとはタブレットのゲームで遊びましたけど、それでも、『テレビゲームなくちゃ生きていけない!』みたいなことは思っていません。
だから携帯端末にもあまり興味がない。どこに行くにも持っていかないと不安で仕方ないとかもありません。ハカセとの連絡用にミコナフォンさえあればいい。
本当にそう思っています。
だってテレビゲームは、ミコナが話しかけても応えてくれないから。話しかけたら応えてくれるようなテレビゲームやおもちゃも最近はありますけど、そういうのも結局は決まり切った返答が返ってくるだけ。それは寂しい。テレビゲームや携帯端末は、ママやハカセの代わりにはならない。
さらに今では、<かぷせるあにまる>達がいる。
だからミコナは言いました。
「フカ、私はあんな風にしないから。真似しないから。だから、ね。それでかんべんして」
「お前、何を言って…」
ミコナの言ってることは確かに無茶苦茶かもしれません。だけどフカも、それ以上は言い返せませんでした。
だって。フカもママだから。他人に注意をしても聞き入れてはくれないかもしれないけど、ミコナはママとハカセの姿を見て育ったから。ママもハカセも、あんなことしなかったから。