あそぼ♡
本当に10歳の子供とは思えないくらいにしっかりしたことを言うミコナだけど、その表情はやっぱり普通の子供でした。
そんなギャップにウルは苦笑い。
するとその時、
「ミコナちゃん、あそぼ♡」
女の子が二人、庭の垣根の向こうから声を掛けてきました。
「いいよ〜♡」
そう応えた時のミコナの表情が、それまでのよりももっと子供らしくて、
『良かった。こんな表情もできるんだ』
ウルはホッとします。
そこに、
「わあ! なにそれなにそれ!?」
「もしかしてハカセの新しい発明!?」
女の子達がウル達に気付いて駆け寄ってきて、覗き込みます。ハカセの発明品だというのはすぐに察したようです。
「うん、<かぷせるあにまる>っていうんだって。だけどちょっと失敗しちゃったって」
ミコナの言葉に、女の子達は、
「え〜? どこが?」
「かわいいじゃん♡」
言った後、
「ねえねえ、抱いていい?」
テーブルの上にいたオウとフカを見て尋ねます。だけどオウもフカも、
「気安く触れるな!」
「やなこった!」
ポーンと跳ねて屋根に跳び乗ってしまいました。
「え〜っ!?」
その様子に女の子達は残念そう。
だけど、代わりに、
「ごめんね、仲間が失礼な態度をして」
「ワイらはあいつらみたいに愛想なしやおまへんで」
ウルとティーさんがテーブルの上に来て、
「わあ♡」
女の子達はそれぞれウルとティーさんを包み込むように手に取りました。
そこでようやく。
「そっちのオオカミがウル。ティラノサウルスがティーさんだよ。それでこの子が、ガー。屋根の上にいるタカが、オウ。サメが、フカ。私の新しい家族なんだ」
ミコナがウル達の紹介ができました。そして続いて、ウル達に向けて、
「ウルを抱いてるのが、ルイネ。ティーさんを抱いてるのがエンファ。同級生なんだ」
女の子達のことも紹介したのでした。