ストーカー、あるいは転生者
気づいたら、五体満足の無傷の状態で真っ白な部屋にいた。
何故だ?僕は焼身自殺したはず。全身大火傷のグロテスク生物になっているはず。
「復讐、お疲れ様でした。まぁあの子が望んでいたとは限りませんが」
後ろから突然声が聞こえた。驚き、振り返る。
そこには一人の男がいた。人間味のない、神々しい美しさを持った男だった。
「あんた、何者だ?僕は死んだんじゃないのか?」
疑問に思っていたことを一気に質問する。
「私は世界の管理者。いわゆる『神』です。貴方は死にましたよ。享年17才。お疲れ様でした」
「そう、か」
「思いの外戸惑いませんね。まぁ当然ですか」
「当選だ」
一呼吸置いて、全く同じことを言う。
「「あの子のいない世界なんか要らない」」
「全く。若いうちにそんなことを考えるまで拗らせてしまうとは」
『神』と名乗る男が呆れたように笑う。
「放っておけ。で、僕に何の用だ?このまま地獄に堕ちるんじゃないのか?」
「いや、ちょっと手伝ってほしいことがありまし「断る」早いです」
内容を聞く前に断る。
「せめて内容くらいは聞いてください」
「なぜ僕を頼る?それに言っただろう。彼女の居ない世界になんか意味が無い」
「その彼女の事です」
「ーー何?」
一瞬動いているはずのない心臓の鼓動が止まったような気がした。
「どういう、ことだ」
「どういうもなにも、貴方なら何となく分かってるんじゃないですか?おかしくなる前はただのオタクだった貴方なら」
自分が死んだ後、神に出会う。そしてオタクである自分には馴染みがある。そこから導かれるのは――
「異世界、転生?」
「正解です!その通り、二夜綾香さんは異世界に転生しています‼」
「嘘だろ……」
信じられない。彼女が、生きている。
その僕の表情を見て満足気に見える神は僕に誘いかけてくる。
「貴方も、しますか?彼女と同じ世界に、転生」
「どういう……ことだ……?」
意味がわからない。一体何のために。
「あの子は今冒険者として生活しています。赤ん坊スタートではないので身分証明が出来ないんです。そのせいで現在冒険者として活動していますよ」
「そうか……」
「しかし、彼女はここ数年以内に死にます」
「何―――!?」
「私は神と言ってもただの『管理者』にすぎません。『運命』というシステムにはあまり干渉ができません。干渉しすぎれば世界は破綻します。だから貴方に頼むのです」
「本当にか?僕がその世界に行ってもお前は干渉していないと?」
「私自身が助けるわけではないので。転生者には転生後の自由が与えられているわけなので本当に貴方が救うとは決まっていません」
「屁理屈を」
「で、どうします?」
そんなの。決まっている。
「行くに決まってる。今度こそ彼女を救う。守って見せる」
「その言葉を聞いて安心しました。向こうにはあなたの目的にまぁまぁなスペックの体を用意しておきます」
「思いの外ぬるいな?」
「よくある転生チートってやつですよ」
最後に神はお茶目に笑って僕を送り出す。
そうして僕の物語が、始まる。
僕のチートはSCPと平行してやっているのでかなり遅いです。それでも楽しんで頂ければ幸いに思います。
僕のチートはSCP
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