追跡
「逃げるぞ!」
瓦礫を粉砕しながらも巨大蟹が横歩きで追ってきている。
「このままだと追いつかれるぞ‼︎」
オリジンのたかしが叫ぶ。
「それは不味いな!」
ドッペルはこの状況を楽しみながらも走っている。
海の変化した生物たちは水面からターゲットが出れば追うことを諦める。そのため今たかし達は逃げるか、巨大蟹を倒すか、巨大蟹の追跡をかわすかという選択を強いられている。しかし海の変化した生物、通称海物はとても強固に進化しているため倒すためには強力な装備が必要である。
そのためたかし達が今出来ることは逃げるか、追跡をかわすことである。
しばらく逃げていた時、オリジンたかしが、
「仕方ない、やるぞ!」
とドッペルたかしに目配せしながら言う。
それを受けて、ドッペルは
「狙いは⁉︎目か!」
と言いつつ銃を取り出す。
「両目潰せれば万々歳だ!いくぞ!」
とオリジンが叫び、銃のトリガーを引いた瞬間、銃口から糸で繋がった、返しの付いた杭が射出し、巨大蟹の片目を貫いた。
それを見たドッペルは喜ぶ。
「やったぜ!」
「いやまだだ!」
オリジンは巨大蟹の様子を伺いつつ、注意を喚起する。
どうやら巨大蟹は片目を潰されて激昂した様で、復讐心を強くしたようだ。
水面まで残り100m