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第2話
それは数分前の出来事だった。
俺達が2年前に見つけた海中ダンジョンに入った俺達たかしーズは、そこでいつものごとくトレジャーハントをしていた。
海中ダンジョンは毎日0時に構造が入れ替わる。だから俺達はいつも通りにマッピングをせずに勘で進んでいた。
「おっ鉱石っぽいの発見!」
ドッペルたかしが『鉱石っぽいの』を発見したようだ。
「よく見てから採掘しろよ」
とクールたかしが注意する。が、
手遅れだったようだ。
硬い物にピッケルを当てた時の甲高い音がダンジョン内に響き渡る。
その瞬間、『鉱石っぽいの』が立ち上がる。そう、立ち上がったのだ。
それは、二つの鋏を持ち、体中に石や鉱石が纏わりついた蟹である。やつは甲殻類が変異した石殻類。つまりは、めっちゃ硬くなった甲殻類である。
「ゴポポポポポポポポ」
蟹が泡を吹きながら襲い掛かる。
「逃げるぞ!」
「アイアイさー!」
足の裏についたスクリューを回し、蟹から逃げる。