どこかの銀河系消しちゃった!てへぺろ♪
ぽーんと身体一つで放りだされたのは無数の岩石が散らばるように漂う空間だった。
光源は無いものの周囲の様子がわかるのは神様補正と言う所か。
流石神様、ご都合主義ですわ。
辺りを見回りたけれど、先程まで一緒だった他の神様がいないので、本当に一人でこの空間に放り出されたらしい。
う~ん、あんまり星座とか理科って詳しくなかったんだけど、とりあえず女神様が星を作れっていってたので手始めに一番近くにあった手のひらサイズの岩を持ってみる。
うん、無重力と言うのだろうか、それとも神様になったからか重さは感じないので、取り合えず近くにあった直径二メートルはありそうな岩の塊へ軽く投球してみた。
どぐぁん!
あっ! 木っ端微塵にくだけ散った。
う~ん、力加減が難しいなぁ。ふわふわと移動して破壊した岩を手のひらで握り込めばギュギュッと固まりバレーボール位の大きさになった。
なんだか粘土遊びを思い出す感触に熱中して周りの岩を引っ張って来ては、デコピンデ小さく砕いて練り込んでいく。
「ふぅー、結構大きくなったわねぇ」
目の前には直径百メートル程の球体が一つで出来上がった。しかし、この玉を地球レベルの大きさってどれだけ時間がかかるんだろう……。
「そうだ! いいこと思い付いた! えっと……、女神様に頂いた能力に千里眼っぽい物があったはず!」
知識を引っ張り出して眉間に力を込めれば、いくらか先に流星群を見付けたので出来上がった岩の玉を持って移動する事にした。
移動も神様の力のお陰かもしれないが、ありがたいことにさして時間をかけずに移動する事ができた。
音速よりも光の進む速度の方が速いと聞いたことがあるけれど、神様の移動速度はそれよりも速いのかも知れない。
移動途中で見覚えがある青い星を見付けたので帰りに寄ろうっと。
たどり着いたのは大小様々な無数の星が入り乱れてて、渦を巻くようにゆっくりと移動する星の集まりだった。
渦の真ん中はまるで台風の目のように穴が開いている。
渦の中央部に近いほど星は早く細かい。
私はその真ん中に岩玉を投げ入れて設置するなり、岩玉の上に乗るとランニングマシーンの様に走り出す。
慣れない玉乗りに多少ぐらついた物の直ぐに慣れ、軽快に走り出す。
走る速度が上がれば自然と渦巻き状の星達の回る速度も上がるようで、段々とそこかしこで衝突、粉砕し、私の下の岩玉へ吸い寄せられていく。
徐々に大きさを増す岩玉に楽しくなった私は、生前好きだったロボットアニメの導入歌をノリノリで歌っていく。
このアニメ!ヒロインが二人いて歌で宇宙を幸せにしていくのだ。
そして気がつけば私の下の岩玉は見事に巨大化し、渦を巻いていた流星群は跡形もなく消失していた。