アルケミスト&レジスタンスギルド
今回から物語は進むようです。
え?その前に更新が遅い?
仕方ないですよ、絵を書いてたんですから、何の絵かはご想像にお任せします。
遺跡攻略から一週間は、俺たちが住むこの王都に届く依頼状を、その日のうちに出来る分を片付け、終わった後は天神が作ってくれるご飯を食べて寝る。
それを繰り返していたそんなある日の事だ。
あの日からよく見る夢の人が、また今日も俺の夢の中に現れた。
ーどうも
「いや、どうもじゃねぇよ」
ーおはようございます?
「俺は寝てんだろうが」
ーじゃあ、ようこそ♪
「うん…それでいい…」
なんというか、どうでもいい会話しかしてないな、この人が誰なのか知らないし…
ー今日は、貴方にとって、とても大事な日になるでしょう
「は?」
なんでわかんだよ、未来予知か?
そんな今日はにわか雨になるでしょう。みたいに言われても…
ー貴方がどちらの選択をするのか…ずっと眺めていますよ…
そう言うと、俺はいつも俺が起きる部屋で目を覚ました。
今の時刻は七時ぐらいだろうか…いつもより少し早いぐらいの時間だ。
俺が下に降りると、ルイスはもう席についていて、俺を見るなり
「!?エイキが早起きなんて…!」
「バカにしてんだろ」
しばらく、俺も席に座って待っていると、天神が料理を持ってキッチンから出てくる。
「っ!篠崎が…私のご飯ができるまでに起きるなんて…」
「お前もか…」
どうやら、起きる努力も頑張る必要があるらしい。
〜それから〜
三人揃って朝食を食べていると、天神が突然に
「篠崎、そろそろ銃が錆びてきているだろう?」
「あぁ、手入れしてないから錆びてるな、いきなりどうした?」
「いや、大事な時に銃が詰まるなんてのは、よくあることだメンテをしているのかどうか気になっただけなんだが」
「そうなのか?まぁ、メンテはしてないけど、こんなに錆びてても普通に使えるし」
銃口の中にまで錆が付いていて、俺にはどうしようもないのだ。
「逆に今使えてること自体が不思議だ、もしもの時のために銃を新調したらどうだ?」
「女神様にもらった大事な銃なんだけどなぁ…」
ちなみにこの前、女神様にもらって、鎌に鞍替えして残ったダガーはインゴットとして溶かしておいた。
この世界じゃゲーム感覚で戻せるから便利だよな、元の世界だと溶かすなんて発想はないだろうし
「ならひとつ提案があるんだが、錬金術細工屋っていう店があってだな
店の名前が『森羅店』という変わった店があるんだが、外からギルドホームに来る通り道に見なかったか?
「…あ、アレか」
ひとつ思い当たる場所がある。
初めてこのグランフェイリスに着いた時、変わった店の前を通ったのを覚えている。
森羅って聞くと、俺の幼馴染を思い出すな…
まぁ、アイツがここにいるとしたら、神隠しの元凶は女神様ってことになるけどな…なんといったって、アイツは…
「エイキ?どうしたの?」
「あぁ、なんでもない」
「俺は中を見たことないけど、場所は分かるよ?案内してあげようか」
「とか言って着いて来たいだけだろ?」
「う、うるさいなぁ、で、どうするのさ?」
「そうだな…俺の記憶も曖昧だし、着いてきてもいいぞ」
「やっぱり上からなんだね…じゃあ、準備してくるから早く食べてよ」
気付いた時には、ルイスはすでに朝食を済ませており、俺は残り三分の一といったところだ。
「俺は準備する必要ないか」
「だからと言って私に時間を取らせるな、私も忙しいんだ」
「…仕方ない、パパッと食べますか」
天神がイライラしながら俺を早く、早くと急かすため、一分以内に食べ終え、準備するために自室へと向かった。
俺が持って行くべきものは、その森羅店に持っていく錆びた銃と、一週間前、遺跡から帰る時ーー
「やっぱりこれはエイキが持っていていいよ」
「俺が持ってると売るかもしれないな」
「…そんなことしないと信じるよ」
「はいはい、分かったよ」
ーーとか言って確保しておいたクロノタイトを、布で袋を作り、そこに放り込んで、ついでにダガーの生まれ変わりのインゴットも入れておく。
後は、万が一の時のために、鎌も準備、刃が危ないけどな
丁度準備が終わったその時、ルイスが俺の部屋の扉をノックしながら
「エイキ!準備は出来たかい?」
「あぁ、終わった、そろそろ行くか」
「うん!」
俺たちがギルドホームを出て、すぐ西に向かい、三番目の通路を曲がるとそこに錬金術細工屋『森羅店」という店が、他の店に囲まれて立っている。
「ここか?本当に特徴がない店だよな、」
「そうだね、と言うか先に行かないでよ」
「これぐらい普通について来いよ」
「無茶言わないで、エイキの速さは異常だよ、最近更にスピード上がってない?」
実は、最近体に変化を感じる。
今までは持ち上げれなかった物がギリギリ持てるようになったり、体に走る痛みに耐性が付いてきたり
俺はこの世界で何をしてるんだ?
早く遺産を見つけないといけないのに…こんなところでグダグダと依頼を受け続けて…
「エイキ?」
「ん?あぁ、錬金術細工屋かぁ…入ってみるか」
「どんな店だろうね?」
「錬金術の店だろうな」
森羅店の扉を、ゆっくり開けると、綺麗なネックレスや、ピアス、その他には細工が入った剣など銃、槍などがショーケースに入れて並べられている店内が、視界に広がった。
カウンターまで足を進めると、レジの横で茶髪の少女がふて寝をしている。
「なんだ…寝てるのかどうするかな…」
レジの前で立っているとカウンターの奥の部屋から歩いてくる音が聞こえ…
「リリア、お客様だぞ?寝てるのか?」
男の店主が出てきて、カウンターに寝ている少女の名前(?)を呼び掛けながら、俺たちの前に姿を現した。
男の店主の髪の毛は黒から茶のグラデーションがかった色で、服装は、灰色のパーカーに白の肌着、黒のジーパンという無彩色のオンパレードだ。
あれ?というかコイツ、見たことが…
「あぁ、お客様、いらっしゃいま…」
俺たちの姿に気づくと微笑み、客の出迎えをしようとしたらしいが、急にその男性の笑みが消え、俺を見て…
「なんでここに…」
「お前こそなんでここにいるんだよ…森羅」
俺とこいつは、元の世界で幼馴染だった《夕凪 森羅》
仲のいい幼馴染っていう訳じゃないんだけど、信頼はしていたんだ
しかし、二年前に突然失踪したのだ。
目撃証言も無いなか、アテもなく一ヶ月、森羅の家族と、俺で捜したが、結局見つかることはなかった。
でも今、俺の幼馴染が目の前で店を経営している。
「お前、今までこんなところにいたのか?」
「いきなりここに迷ったんだよ、ってお前…俺をわざわざ捜しに来たんじゃないだろうな?」
「そんなまさか、たまたまだ」
「へぇ…」
それよりも、俺は銃を作り直して欲しいんだった。
再開を喜び合う時間は今の所ない。
「そんな事より、お前の仕事は錬金術だろ?仕事をしろ仕事を」
「お前はいっつも上からだな、少しは相手の気持ちを考えて、下から物を言ってみろよ」
「んー…なら他人に物を頼むように…錬金術加工屋の森羅店で仕事を頼みたいんだけど、この材料で銃を作ってくれ」
いつも使っていた銃と、インゴットとクロノタイトが入った袋をカウンターに置く
「やれば出来るじゃねぇか、って、かなり銃が錆びてるな、もはや風化してるぐらいに見える」
やれば出来るじゃねぇかに少しイラっときたが今はスルー
「そこまではいかないだろ?銃は全部任せる、適当に作ってくれ」
「こっちの袋は?」
「そっちはインゴットとかだ、クロノタイトって言う宝石もあるから、自由に使ってくれ」
「クロノタイト!?なんでお前がそんなレア素材を?」
「遺跡行ったらスケルトンが落とした」
「スケルトン?あぁ、《ボーンナイト》か、強かっただろう?」
「スケルトンの上位種っぽいスケルトンロードの方が強かったぜ」
「《ボーンマスター》か?よく勝てたな、あ、リリア、錬金用具持ってきてくれ」
リリアと呼ばれた少女は呆れたように首を振り、あれ?いつ起きたんだ?
「錬金用具じゃなくて《マジックポッド》でしょ?好い加減覚えてよ、森羅師匠」
師匠なのか、コイツが
「この世界に来て二年だから、覚えてなくて当然」
この世界で二年経ってるのにまだ覚えてないのはどうかと思う。
しかもそれで胸を張って言い切るんだから、やっぱり森羅なのだろう
「森羅師匠には、何を言っても無駄だね…」
ため息をつきながら、リリアと呼ばれた少女はカウンターの奥の部屋に入って行った。
「っていうか、なんで錬金術使えるんだよ」
「おーっと?そこ聞く?いいだろう教えてやろう」
いや、別にそこまでじゃないけど、嬉しそうだから仕方なく聞いてやろう
「俺がここに来たのは理由があってだな…」
「理由…?」
「そう、俺は迷子になったんだ」
「うん、知ってる」
「それで他に聞きたいことは?」
「え?錬金術を使えるようになった理由…」
「知らん」
ガツッ
「いってぇ!?」
「そこを知りたかったのにな…」
「しらねぇよ、気付いたら出来たんだし」
「は?」
「森羅師匠ー、持ってきましたよ」
「お、サンキュー」
リリアが時々俺を睨むのが凄く気になるが、考えないようにするしかないか
「マジックポッドに、銃と…鉱物を入れて…」
森羅が、マジックポッドから離れると、マジックポッドから紫の煙がもくもくと出てきて…
「せいやっ!」
その瞬間に森羅が"手で"マジックポッドを叩き割った。
「…え?おい」
「完成だぜ、篠崎」
俺が戸惑っていると、森羅がマジックポッドの破片の中から何かを掴み取り、俺の元にひとつの真っ黒な物体を投げてくる。
投げて来たものは銃で、一辺、変わってないようだが、銃の横から見ると狼のような形をした金の刻印が掘られている。
「そうだな、その銃の名前は…名付けて!《DW-ハンドガン》って事でどうだ」
「でぃーだぶりゅー?」
「ダークウルフだ、かっこいいだろ」
「いや、よくわからん…でもレア鉱石使ってこれか…」
「量の問題だろ、クロノタイトをそれなりの質の量を持ってきたら、錬金で更にいいものに作り変えてやるよ」
「へぇ、森羅のクセにそんなことが出来るのか」
「俺のクセに!?」
「まぁ、ありがとうな、今回はこれで帰るよ、ルイス、行くぞ」
「え?あぁ、うん、分かったよ」
「いや待てよ、代金払えよ」
ルイスはなにやら、ショーケースの中身を見て回っていたようだが、俺が帰ると気づいて、残念そうに近づいて来た。
後ろで金払えーってうるさいのでとりあえず、五百マイン渡しておく。
「なっ!?こんなに!?お前の財布どうなってんだよ…」
あぁ、そうか、この世界じゃ五百マインは五万なのか、あれ?エアガンもっと高かったよな?
「足りないのか?次の依頼で大量に稼げたら持ってくるからそれまでツケな」
「いや、十分だ、それと…」
森羅が俺の近くまで寄って、耳打ちをしてくると…
「この世界の五百マインの価値を分かってるのか?」
「分かるわけないだろ、来てまだ一週間近くだ」
「現実世界じゃ、五万はすぐ消えるけど、この世界では三ヶ月近くは生きていける金だ、お前はどんな生活してるんだよ…って、お前!ギルドに入ってたのかよ!」
俺の肩あたりには、ギルドの紋章のバッチを付けているため、森羅が俺の服をチラッと見た時に気付いたんだろう
「お前みたいな奴がギルドに入ったらこの国は安泰だよ…全く…」
「はぁ?俺が?運動神経も悪いし、勉強も無理、それに格好も顔も一般人並みいや、それ以下の可能性、これで、どこが安泰になるんだよ、王様が居てのこの国だろ
俺がいても変わんねぇよ、最近すっげぇ視線を感じるし
俺なんかしたかな…」
「「え?」」
森羅とルイスが同時にハモる
「二人して何を驚いてんだよ」
「お前、鈍すぎ」「エイキ、それはない」
「全然意味わかんねぇ」
「「はぁ」」
二人とも頭を押さえてため息をつく
なんだろう、今凄くイラッとした。
「んで、いくら払えばいい」
「投資と考えてくれるならこのまま貰いたいぐらいだ」
「ならそれで、銃、ありがとうな」
「おう、いいってことだぜ、良い物が手に入ったらこの錬金術細工屋『森羅店』にどうぞ!」
店を経営している人みたいなキャッチセールスだな。
あ、これ店か
俺は、森羅堂を後にして、ギルドホームに戻ることにしようとすると、扉の前には、灰色のローブを身に纏った二人組が無言で立ち尽くしている。
俺は無言で、二人組の横を抜けようとすると…
「おい、ギルドの人間」
俺意外にもギルドの人間はいる、無視しようとすると、ローブ姿の男が、俺の進む道を阻む
「シノザキ エイキ、話があるついて来い」
俺の名前を呼ぶ時、言いづらそうだったって事は、この世界の住人で間違いないだろう。
はっきり言えるのは今のところ、天神と森羅だけか
ローブ姿の男は、それ以外を話さずにギルドホームとは反対の方へ歩いて行った。
もう一人のローブ姿の人はーー体格的には女性だが、男である可能性が高いーー着いて来いと言った男の後ろを歩いている。
時々、俺が着いて来ているか振り返る程度だ。
いちいち、振り返られるのが面倒なので、先に歩き始めた男の横に並ぶ。
「え、エイキ!どうするのさ!」
「あー、用事だ先に帰ってろ!」
「わ、わかった!」
アイツは聞き分けが良くて助かる、面倒なことは聞かないからな
聞かない時が多いから指示も間に合わないけどな…
「置いてきてよかったのか」
俺の隣を歩いている男が俺を見ず、目的地に向かっているのか分からない道を進みながら、ルイスの事を聞いてくる。
「目的は何か知らないけど、俺一人の方が話しやすいだろ?」
「それもそうだな」
しばらく、俺のあまり見慣れない路地をうねうねと移動し、辿り着いた場所は…
「王都にこんな道と場所が存在したなんて…」
道は苔が生えており、建物のレンガもヒビが入っていたり、環境がいいとは言えない王都の隅、一部の人間はスラム街と言っているそうだ。
そんなスラム街に、俺たちが住んでいるギルドホームぐらいはあるんじゃないかと言えるぐらいに、巨大な建物が建っている。
「ここだ、中に入ってくれ」
男が、建物の扉をギギギという、軋むような音を立ててゆっくりと開く
怪しいけど、ここまで来たんだ。
今更引き返す訳にはいかないだろう…
「失礼しまーす…?」
挨拶しながら入ると、そこには、無言でテーブル周りに設置された椅子に座る大勢の人たち。
皆が皆、ボロボロの服を着ていて、その中に親子らしき女性とと子供がいるが、スラムというだけあって、かなり扱いが雑なのだろうか
「えーっと…これはなんだ?」
さっきまで横に歩いていた男は俺の問いかけに応えることはなく、真っ直ぐ俺の横を通って俺たちがいる立ち位置より、少し高い壇上に上がると、男はこう叫んだ。
「皆、今日はこの、「王都反逆ギルド」に集まってくれて感謝する、今回はいい人材を連れてきた!」
は?王都反逆ギルド?なんだそれ
「この王都を我らがスラム民を虐げているのは言わずもがな、一目瞭然だろう、我らが今動かないと、このスラムの状況は悪化して行く!」
そこまで酷いような状況は見てないが…見えてないだけか
「そこでだ!王都のギルドに所属しつつも、王都の味方とも言えず、実力はかなり、という者を連れてきた!」
ん?それってもしかして…
「それがこの、シノザキ エイキだ!」
やっぱりか…俺なんだな…
あたりが一斉にざわざわと小声で騒ぎだす。
少し耳を澄ますと、俺のちょっとした噂などが話されているようだ。
「では、シノザキ殿、挨拶を」
はぁ!?急だなおい、要件もなしにいきなり連れてきて挨拶しろだとか、礼儀を弁えろ礼儀を…
まぁ、人の事を言えないってのは認識してるが。
心の奥で愚痴をこぼしながら、男と同じ位置の壇上に立つ。
「えー…どうも皆さん
ギルドに所属している篠崎 永綺と言いいます。
なんでこの場所に連れて来られたのか、それはここに来るまでわかりませんでしたが、なんとなく認識しました。
つまり、この王都に仇なす反逆者になれと言うことでしょう?
でも、俺にはギルドを裏切るような事は出来ません、それに、俺は、ギルドに居ることで、役に立てる人間なので、反逆なんて以ての外です」
反逆なんかで目をつけられて、遺跡に入れないとなると、かなり厄介になる。
すると、横に立っていた男が俺に向かい
「貴方は、王都の住民を沢山救っている。
今回の件は私たち、スラムの住民を助けてほしいのだ。
なんだったら、依頼として受けてくれてもいい。」
この人達は確かに困っている。
だが、その原因の解決は、俺一人では絶対に無理なのだ。
「…少し考えさせ……」
バァン!
俺が口を開いた途端、このギルドホームの入り口から物凄い音を立て、扉を壁に叩きつけた。
そこに立っていた者は、異様な雰囲気を纏っていた…
神々しい筈なのに異質な雰囲気。
天使が堕天使になったかのように、神が死神になったような感じ…
奇妙な白黒の面を付けて、金髪で、黒い縁が付けられた白のロングコートを羽織り、白の肌着らしきものに黒のズボンで、模様が入った鎌を片手に持っている。
女神様に近いんだろうけど、仮面の所為で、不気味な姿になっている。
この反逆者ギルドの一員なのかと思ったが、周りの様子を見ると、そうでもないらしい
「な、なんだお前は!?」
すると、混乱から立ち直ったのか、一人の男が白黒の人物に問いかける。
「………」
男はその問いかけには答えず、無言で入口の前で立っている。
「お、おいなんとか言えよ!」
男が白黒に向かって掴みかかろうとする。
「危ない…!」
気がついた時には、ギルドホームを駆け抜け、白黒に掴みかかろうとしていた男を突き飛ばしていた。
皆が俺の行動に目を見張る。
なんでだ…?
普通なら、危険だと思う筈がないんだ。
だって、危害を加える事は無いって、誰もが思ってるだろうから。
でもなんでだろう、今、白黒が構えてる鎌が男を襲うと思って…
ガインッ!
体を捻って、白黒が持っている鎌を俺の鎌で地面に叩きつける。
「……よく気付いたな」
白黒の人物は、俺に届くか届かないかぐらいの声でポツリと呟いた。
声ではっきりしたが、どうやら男らしい、どこかで聞いたことがあるような声だ…。
「何を企んでるのか知らないけど、王都の人間には手を出させ…」
「赤の他人にそこまでする義理はないだろ?」
「…!」
「お前は外の世界から来た。
そして、女神に命を助けてもらい、この世界に来た。
お前のやることは王都に楯突くことでも、王都の味方をすることでもない。
お前のやるべきことは、遺跡に眠るマジックアイテムを回収すること」
こいつの言っていることはあっている。
でもなんで知っているんだ…?
一部の知り合いにしか言ってないのに。
「マジックアイテムをすべて回収した後に待っている結末を教えてやろうか?」
俺の心臓が一気に跳ね上がる。
俺でも知らないのに、なんでこいつがそこまで…!?
「それはな…この世界の破滅だよ」
「世界の…破滅…?」
次の話からは、恐らく
仮面男の会話+遺跡の話
となるでしょう。
更新遅くなって行くなぁ…読み続けて頂ける方には申し訳ないですが…がんばって更新して行きますので、これからも
よろしくお願いします