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レリクス&カタストロフィ

久し振りです、神白です。

失踪したと思いましたか?

結構長いこと書いてたんです。

第一章完結までつづくので、ご安心を

誤字が多いかもしれませんが後々直しますので…今はお見逃しください

では、本編へ

まどろみの中、俺は夢を見た。

夢かどうか怪しいけど、多分夢だ。

ー起きていますか?あ、いえ、寝てるんですね、そのままで良いです、聞いてください。

「いきなりなんだ…眠いんだ寝かせろ」

ー現実…いえ、幻想の貴方は眠っています。

「つまり明晰夢か?」

ーえぇ、そういうものです。

「…メンドイ、後にしてくれ」

ー…貴方の望みは残されています。

「は?望み?」

ーそう、貴方の生き返るという望みです。

「嘘だろ…?」

ー嘘ではありません、貴方はある使命を果たせば、元の世界に戻ることができます。

「…ある使命?」

ーそう、………を救ってあげて下さい。

「おい!?それってー」

ガァン!

俺が気づいた時には、目の前にフライパンがあった。

「私が料理を作ったと呼んでも起きてこなかったからわざわざ起こしに来たんだが…」

「そうだったのか、悪い、今すぐ行く」

フライパンが目の前にあったのは少し混乱したが、熱くないだけマシだったか

「何か夢でも見ていたのか?」

「夢ぐらい誰でもみるだろ?ところで今日の朝ご飯は?」

「今日から仕事だからな、色々作ったぞ」

「へぇ、あ、おはよう、ルイス」

俺がリビングに行くと、食事が並べられていて、ルイスはもう席についていた。

「あぁ、おはよう、もう九の刻だよ?」

九の刻…つまり九時か?

「そんなものか?」

「それより早く食べて初任務に行ってもらうぞ」

三人で朝食を食べる中、俺は今日に見た夢のことを思い出していた。

………を救ってあげて

一体誰のことだったんだ…?

というか、夢の人のことさえも知らないな…言いたいこと言って消えやがって…まぁ、夢だし、俺には関係ないか。

俺が一人で黙々と食べていると天神が何かを思い出したように切り出した。

「そういえば今日の初任務は、調査済みの遺跡のマッピングをして来てもらう」

「マッピング?」

「そうだ、ギルドの人間が調査に行っただけで、完全な安全は確保されてないが、最新部までは辿り着いているんだ。

そして、これからの遺跡観光地化計画のために地図を作ってきて欲しい」

地図を作るってことは正確な位置と距離を計らないといけないってことか?

面倒くさそうだな…それに

「遺跡観光地化計画ってなんだよ」

「それはだな、遺跡を完全にそして完璧に安全にした上で、そこを観光地としての遺跡にしようという計画だ。

それと、計測に関しては苦労しないぞ?」

そう言って、天神が席を立ち、しばらくして戻って来た天神の手に持っていたものは、掌より少し大きいぐらいの機械だった。

「計測はこの機械がしてくれる」

「この機械が?俺らは何をすればいいんだ?」

「お前達は計測したい部屋の中央にこの機械を置いて、計測が終了するまで機械を保護しておけばいい」

「なんだ、簡単だな」

「あぁ、報酬は15マインでいいか?」

マイン?なんだそれは

「マインってなん…」

「マインは、1マイン100円ということでいい」

俺が聞くより前に答えやがった…

「そうなのか?じゃあ、報酬は1500円か」

「そういうことになる」

「マッピングだしそんなもんか引き受けた」

「よし、じゃあ、任せたぞ」

俺とルイスは、天神が作ってくれた料理を勢い良く食べ尽くし、出発の準備をして、(ギルドホーム)から飛び出した。

「この馬車の向かう先が遺跡なんだよな?」

「そうだね、地図から見れば遺跡に向かってるよ」

「遺跡か…どんな場所なんだ?」

「俺もよく知らないけど、旧文明の遺産がたくさん眠ってたっていう話だよ」

「旧文明の遺産?」

「うん、その旧文明の遺産の名称は『ディザイア』って言うらしいよ、なんでも円形の鉄板と針だけでこの世界の時刻が分かったり、ギルドホームでエイキが壊したシャンデリアっていう灯りもディザイアだよ」

「へぇ、じゃあこれも旧文明の遺産なのか?」

天神が俺に渡してくれた計測器を眺めながら呟く。

「俺もそんなの見たこと無かったけど、それも旧文明の遺産らしいね、造りが一緒だし」

「へぇ…」

馬車に揺られて辿り着いた遺跡の形状は、底が見えないほど開いた円形の空間に、その周りを囲むようり壁に突き立てられ、今にも崩れそうなぐらいに風化した石の螺旋階段しか見えない、つまり穴だ

「ここが遺跡か…」

「俺も初めて間近で見たよ、さっさとマッピングを終わらせて帰ろうエイキ」

「じゃあ、俺が前でルイスが後ろな」

「わかった、じゃあ、中は暗そうだし気を付けてね」

風化した階段を一歩一歩ゆっくり降りてゆく、崩れるかもしれない程に古い階段は、時々穴が空いていて、踏み外しそうになる。

それでもなんとか一番下まで降りきった俺たちは、真っ直ぐの回廊に沿って歩いて行くと、薄暗い広場に出た。

松明は最近かけられたもののようで、陽炎のようにユラユラうごめいている。

そういえば俺たちの任務はマッピングだから他の人が探索した後なんだな、お宝は期待できそうにないな。

ダンジョンの構成はまだ分からないが、とにかく進めば分かるだろう

「じゃあ、まずここのマッピングだな」

「そうだね、じゃあ、中心っていえばこの辺かな?ここにその計測器を置いてみて」

部屋の中心らしき場所に天神から渡された計測器を転がすように置いてみる。

すると機械音を立てながら計測器は物凄い勢いで回転を始め、遺跡に穴を開けて半分埋まった。

「…は?」

いや、計測器がなんでわざわざ掘って埋まるんだよ、超音波とかで距離図るのかと思ったけど全然違うじゃないか。

キィィーーン

色々考えていると埋まった計測器が、突然金属音を発し始めた。

今更超音波出すのか!?埋まった意味は…?

「え、エイキ、終わったみたいだよ…?」

ルイスも動揺を隠せないようだ、それはそうだ、色々予想外すぎる。

気付けば超音波のような金属音はいつの間にか収まっていた。

「で、どうすんの?」

計測したはいいが、俺たちの任務は計測じゃなくてマッピングだ。

するとルイスは

「こんなこともあろうか…と?あれ?ちょっと待ってね」

持ってきたカバンをゴソゴソしてるが、何がこんなこともあろうかと?準備不足じゃないか

「見つけた!」

ルイスは何やら嬉しそうにカバンからパンフレットみたいな大きさの紙を取り出した。

「なんだよそれ?」

「聞きたい?聞きたいか?ふふーん、教えてやらない、これは俺の秘密だよ、えーとどれどれ、理解できませ…ぐはっ!?」

「いいから見せろ」

ルイスの態度にすこーしイライラして、ハンドガンで殴り、紙を奪い取った。

そこに書かれていたのは、簡単に言うと計測器の使い方だ。

使い方は簡単、部屋の中心に機械を放置し、しばらくの間、機械の金属音に耐えるか逃げれば、計測は完了。

計測が終わった後、保存のいい地図になる羊皮紙《保存には適さないが、安価な紙でも可》を機械の近くに置くと、機械が地面から飛び出し、地図を正確に書くと言う便利なマジックアイテムなのだ!

とここまで、可愛らしいキャラクターを用いて漫画方式で分かりやすく描かれている。

「これ、誰から貰ったんだ?」

「イタタ…ギルド長だよ?」

これを書いてる天神の姿を想像すると…これは天神の印象が「少し硬い」から「可愛らしい」に変わるな…

「よし、やってみるか」

「え!?その文字読めたの!?」

「この文字が読めないのか?」

「その文字は古代文字だよ?エイキがなんでその文字を読めるのか知らないけど、驚きなのはギルド長が古代文字を書けたことだよ」

「なるほどな…」

この文字をコイツが読めなくて、古代文字だって言うのなら、これはもしや…日本語が古代文字って世界か…この世界の文字は俺には理解できない文字だったり…今は考えても仕方ないか、まずは任務だな

「さぁ、さっさとマッピング済ませちまおうぜ、えーと、羊皮紙あるか?」

「羊皮紙?何に使うのさ?」

「マップを作るのにだよ」

「ふーん?」

ルイスはカバンの中をゴソゴソ探り、取り出したものは、どうやって綺麗にたたんでカバンに入れてたのかわからないぐらいの大きさだった。

「じゃ、それをここに置いて」

ルイスが俺の指定した場所に羊皮紙を広げて放り投げる。

するとー

どこからともなく…いや、発生源はわかっている、この計測器だ。

計測器から歯車のような音が鳴り響いて…

「え?」「は?」

気づいた時には目の前から機械は消え去っていた。

カリカリカリカリ…

なんだ?この音…俺が音がなる方を見たとき、その先にあったのは…地図に綺麗な黒いインクで正確な地図を書き記している計測器があった…。

こんなものを見た無駄な疲労感は半端じゃない、もう大抵のことはどうでも良くなった…大抵だぞ?全てがなんて言わねぇよ。

〜数秒後〜

「やっと書き終わったか?」

ルイスが羊皮紙を手にとって確認する

「え?これさ、この部屋しか書き終わってないの?」

俺は横から覗くと…この部屋と、ある一部分だけしか書かれていなかった、その一部分とは…そう、今まで歩いてきた回廊だけ…。

「俺の考えがお前とあってるなら、同じ作業を部屋の数と同じだけ、無駄な疲労感も味合わないといけないってこと…?」

「そうみたいだね…」

「「はぁ…」」

今現在、地図を見る限り、この部屋は遺跡の中心で、下は俺たちが入って来た道らしい、この広場を中心として十字に回廊がある。

前には大きな扉があって、大きな鍵穴らしきものが扉についていて、行っても無駄だろうということは一目で分かる。

「さて、左に行くか」

「なんで左?」

「俺が右利きだから」

「何言ってるか分からないんだけど」

「気分だよ気分、行くぞ」

もちろん計測器は回収済みだ。

俺たちが左側の回廊を突き進むと、また開けた場所に出た。

でも、この場所は、さっきのただ広い場所とは違って木片や、人骨と思えるようなものが辺りに散らばっている、この部屋の唯一目立つものといえば、隅に腐敗した木の棚が、ボロボロになりながらも、崩れずに原型を保っているぐらいだ。

「ここは見る限り、バーとかの食堂に近い場所だったのかな?それにしても骨とは…気味が悪いな」

「見た感じバーだね、そこの棚が少し気になるんだけど、後でいいか、それより計測しようエイキ」

「じゃあ、しようかポイっと」

金属音はせめて少しでも遠い場所で鳴らせたいため、今入り口にいる俺は、そこから計測器を投げて、起動させる。

この時間を ただ待っているだけじゃつまらないし、俺は計測器を投げた後、棚の前まで走る。

「じゃ、とりあえずこの棚からかな」

「なんで?」

「この場所だけ形が残ってるのって、おかしいと思わないか?こういうところは…」

俺は近くに落ちている持ちやすい木片を拾い…棚に叩きつけた。

すると見事に気持ちのいい音を立て棚が他の木片と変わらないぐらいボロボロに崩れた。

「いくらボロボロだからって、やり過ぎだよ、エイキ」

「ここまでするつもりはなかった、でも代わりにいいものを見つけたぞ?」

棚を壊すと、そこには真っ暗な闇に支配された小部屋だった。

ゲームで言う「隠し部屋」って奴だな。

それを見つけた俺たちは、好奇心に導かれるまま入ろうとした…のだが。

途端に殺気を感じ、振り返ると遠く離れた場所に、さっきまでただの人骨だったものが人の形を成して片手には、骨が持つには重そうなぐらい大きい骨で出来た剣を片手に持ち、頭蓋骨の奥の闇からは魂のような赤い光の目が爛々と輝いている。

そんな弱そうないかにも最初のダンジョンモンスターって敵が三体居る。

あれ?RPG最初の草原とかで出るフィールドモンスターと出会ってないんだけど…まぁそれは別として、その骨のモンスターの進行方向はもちろん俺たち…だと思ったんだがどうやら狙いは計測器らしい、なるほどな、つまり、化け物は何かの理由であの機械に引き寄せられるんだな、もしかしたら、あの馬鹿みたいに無駄な動きが多い機械が倒してくれそうだが、そんな賭けをするのは危険だから先に倒してしまうか。

「骨の化け物…つまりスケルトンか?」

「スケルトン?そんなの知らないよ、というか骨なんてどうやって倒すのさ!」

「骨だけなんだし燃やせばいいだろ?それか崩す」

「燃やすなんて、そういう物が無いじゃん、崩すにしてもハンマーみたいな鈍器が必要だし…」

「燃やすなら簡単だろ?お前、魔法使えるんだよな?」

「あ、そうだった」

馬鹿だ。

「燃え散れ!《ヴォルカ》!」

ルイスが杖を掲げて魔法の名前を叫ぶと、杖の先に真紅の輝きを灯し、その杖をスケルトンに向かって振った。

するとそのマグマのような形を作った魔法は直線状に飛び、一体のスケルトンがその魔法にぶつかった瞬間、ものすごい勢いで燃え尽きた。

「いいぞ!もっとやれ!アイツ等は骨だからすぐに燃え尽きるみたいだ!」

「わかった!もっといくよ!《ヴォルカ》!」

もう一度杖を一振りすると、さっきよりも鋭さを増した速さで、スケルトンをさらに一体燃やし尽くした。

「最後の一体は俺に任せろ!MPは取っておけよ!」

「エムピー?」

「気にすんな」

俺はダッシュでスケルトンの前に躍り出て、スケルトンが俺に気づいた瞬間、片手に持った剣を重そうに振り上げた。

勿論、戦闘経験は喧嘩ぐらいの物で…あ、ギルドNo.1と戦ったな…でも、もちろん剣とかを見るとやっぱり怖いものだ、こういうのは…

「やられる前に…やる!」

近くにあった、とにかく大きそうな木片を持ち上げ、スケルトンに叩きつけた。

するとあっさり木片は砕け散り、スケルトンの骨はまだ元気だ。

骨が元気ってなんだよ、硬いなこの骨。

こんなことを考えていると、スケルトンが重力を利用して剣を振り下ろしてきた。

「あー!うぜぇ!固ぇよ!」

スケルトンの脇をくぐり抜け、後ろに回り込んだ。

こういうのは芯を崩せば全てが崩れて行く、つまり…

「崩れろぉ!」

スケルトンの脊椎らしき場所を掴み、力尽くで抜き取った。

スケルトンはものすごい勢いで振り返り、剣を振り上げた…と思ったが、しばらく硬直した後。

ガラガラガラ…

悲しげな音を立てて、スケルトンは崩れ落ちた。

「エイキ…中々無茶するよね」

「やる時はやるんだぜ?」

「はいはい、地図作ろう?ほら、変な音も無いし」

「そうだな、じゃあ、地図をそこに置いてくれ」

さっきの通り、ルイスは無駄な広さの羊皮紙を放り投げ、計測器が地図を書き終わるのを見つめていた。

「あれ?この場所ってさっきの隠し部屋だよね?」

「ん?それっぽいな、この部屋よりは小さいけど広いな」

これは、何か隠されてる感じがするな、財宝!?おぉ、これは先に来た探索者よりもいいものが見つかりそうだな!

「気になるから調べてみようぜ」

「危険かもしれないよ?だって、誰も見つけてない場所でしょ?」

「だからこそ探索するんだよ、ギルドは危険を無くすために活動してるんだろ?」

「確かにそうだけど、それ、ギルドの立場利用して上手いこと言ってるだけだよね」

「まぁ、いいじゃん、行こうぜ」

ルイスがなぜか躊躇っているが、そんなことはお構い無しで、暗闇に支配された隠し部屋に突入する。

「やっぱり見えないな、明かりは無いのか?」

「マッピングだけの予定だったんだから、そんなの持ってきてるわけないでしょ」

「はぁ、下準備が足りてませんなぁ」

「エイキは準備すらしてないでしょ」

「はぁ、一回戻るぞ」

「何するの?」

「それはもちろん」

俺は壁に立てかけられている松明を取り、ルイスに見せる。

「勿論これだよ、ルイス君」

「なんでいきなり君付けるのさ」

「ほら、気分だぜ、よくあるだろ?」

「ないよ」

「そんなこと言ってる前に行くぞー、あ、計測器回収しておいて」

「人使い荒いなぁもう…」

さて、ルイスが回収してる間に秘密の部屋に入っちゃおーっと、俺が部屋に入ると、松明は部屋を照らし視界には全てが見える程度に明るくなった。

ここは何かの資材庫みたいな場所らしく、樽やら、箱やらの資材が置かれている。

その資材の奥に立てかけられている奇妙な物に目が行った。

「な、なんでこんなものが」

「エイキ、勝手に先に入らないでよ…って、アレなに?」

俺の視線の先にあったものは、大きな鍵だ、俺の身長より少し小さいぐらいの大きさの鍵だ。

「これ、あの鍵だよな」

「あの鍵だね」

「…持って行くか」

「重そうだよ?」

「さっきの骨が出たらコイツを振り回せば勝てる」

「骨が凄い勢いで砕けそうだね」

俺が鍵を持とうとすると、見た目の割りには軽く、通学鞄に教科書を八冊詰め込んだぐらいの重さだ。

「軽いな、よし行くぞ、次は地図からして、右の回廊だ。」

「鍵持ったまま移動とか…」

「なんだ?悪いか」

「いいえ、滅相もございません」

「それにしても、この遺跡のマッピングもそろそろ終わりそうだな」

「だね、予想からしたら、あと二部屋だよ」

「よーし、さっさと終わらせて15マイルもらうぞー!」

「おー!」

と、意気揚々に右の部屋に行ったんだけど…

「え?コイツ等、倒した方がいいよな」

「動きそうだもんね…」

右の回廊を突き進み、部屋を覗こうとするとそこには、ボロマントを着て、頭には鉄のヘルメットをつけて、偉そうにも鉄の剣を掲げているスケルトンが一体…よし、コイツはスケルトンロードだ。

そして、取り巻きらしい、ただの骨のスケルトンが四体が形を保ったまま固まっているようだ。

「よし、骨が動き出したらヴォルカだっけ?それを骨にぶつけてくれ」

「わかった」

「行くぞ…」

俺たちはゆっくりゆっくり、固まったスケルトン達の間を進んでゆく、緊張しながらも部屋の中央に進み、静かに計測器を設置。

勿論、機械は空気なんて全く読まず、回転して穴を掘り、埋まったと同時に、うるさい金属音をこの部屋に響かせた。

するとスケルトンが少しづつこちらに顔を向け、俺がその一体と顔を合わせると…

「カラン!カラカラ!」

スケルトンロードが骨で音を出し、スケルトンに命令を出した。

ーように見えただけだ。

スケルトンは一斉に俺たちを狙うために動き出し

「ルイス!やれ!」

「わかってる!《ヴォルカ》!」

ルイスが魔法を詠唱し、スケルトンに攻撃するつもりだったんだろうけど、杖が直接スケルトンにぶつかり、杖とスケルトンが一緒に燃えたんだが。

ルイスの杖は一切燃えておらず、スケルトンだけが跡形もなく燃え散った

「ルイス!ここから一旦離れろ!速く!」

「わ、わかった!」

ルイスはさっき自分で作った逃げ道を使って、スケルトンの輪から逃げ出した。

「いっくぞぉ…」

俺はさっき持って来た鍵を掴み…振り回した。

「お…らぁ!」

ガッシャァン!

鉄球投げの要領で振り回した鍵は意外にも強力で、気持ちのいい音を立てて骨の中心から吹き飛んで行った。

それを遠目からスケルトンロードは仁王立ちで眺めている。

司令塔のようなものか?

「………」

俺はスケルトンロードの前に立ち、鍵を構えた。

「カラカラッ…」

スケルトンロードが、剣を上段に構え、かかって来いと言わんばかり自身の骨を叩き合わせ挑発する。

「行くぞ…!」

掛け声と共に、俺は一気にスケルトンロードの前に詰め寄り、鍵を振りかぶり、スケルトンロードの中心部を吹き飛ばそうと本気で殴ったんだが…スケルトンロードは重い大きな鍵をいとも簡単にはじいた。

「こいつの剣どうなってんだよ…プラチナか?」

弾かれた後の隙は大きい訳で、衝撃により一気に上体を後ろに持って行かれる、その隙にスケルトンロードは俺に向かって鍵を弾いた剣で振り下ろしてきた。

アイツの弾いた時の衝撃はほとんど無いのか…?

俺は勢いに任せて後ろに鍵を投げ捨て、そこからバック宙をする。

「一応、距離は取れたけど…アイツ硬すぎるぞ」

それにしても、さっきから思ってたんだが、あのスケルトンロード…金属音を出してる、あの計測器には一歩も近づこうとしないな、俺にだけ闘志が向いてる感じ。

こっちとしては好都合だけど、スケルトンロードだから、プライドはあるんだろうか…?

「動きの遅い鍵よりやっぱりこっちだな…」

俺はベルトに下げていたダガーを手に取り、一定の距離を保ったまま、スケルトンロードと対峙する。

「行くぞォ!」

「カラッカラカラン!」

俺の叫びに応えるようにスケルトンロードは骨で返事をする、俺とスケルトンロードはさっきに増して、鋭い戦闘になっていた。

二人の距離はほぼゼロ、コイツの剣が当たれば死ぬだろうし、俺の拳でコイツの骨を削ろうと思えば砕ける程度の近さだ。

それを俺はギリギリの距離で避け、スケルトンロードの致命傷であるハズの脊椎、もしくは首を砕こうとするのだが、コイツもギリギリで避けやがる。

その繰り返しで、決着がついたのは、俺が足を滑らせて、スケルトンロードが空振りしたところに、渾身の足払いでスケルトンロードがバランスを崩し、顎から砕けていったということで終わった。

終わりがスカッとしないは仕方ないか、こういうのは、どんな手を使ってでも勝たないといけないからな。

スケルトンロードが崩れた場所には、光る石が落ちていて、拾ってみると、宝石のような輝きを放つ翠色の石だった。

遠くからそれに気付いたルイスが興奮したように

「そ、それ!どこにあったの!?」

「え?コイツの骨の中」

「その石の名前はクロノタイトって言う宝石なんだよ!」

「ふーん、それで?」

「だから!滅多に見かけない宝石だから、かなり凄いものなんだよ!」

「じゃあ、売れば高いのか?」

「なんでエイキはそんな考え方するのさ!」

「他に使い道は?」

「飾ったり、装飾品として作り変えたりだよ」

「売るという選択肢は?」

「勿体無いよ」

「はいはい、わかりましたよ、じゃあ、これはルイスが持っていてくれ」

「え?いいの?」

「俺が持ってても売れないんじゃ要らないよ」

「売るという発想は無しにしようよ…」

「さ、マップ作るぞー、羊皮紙プリーズ」

「プリーズ?」

「寄越せってことだ」

「あぁ、はいはい」

「『はい』は一回」

「エイキだってはいはいって言ってるじゃないか」

「俺は…ほら、特別だから」

「何が言いたいのさ…」

ルイスがブツブツ文句を言いながら、羊皮紙を機械の近くに放り投げる。

そして、機械が回廊と、この部屋を綺麗に描いてる間に、さっき放り投げた鍵を取りに行く。

ーあれ?投げちゃったってことは、ヒビ入ってない…?

俺は慌てて、鍵に傷跡が無いか調べてみると、とくに問題はなく、持ち手が少し欠けてるくらいだった。

「良かった…」

「何が良かったのさ?」

「うわぁ!?」

「え!?」

「あぁ、ルイスか」

「急にどうしたのさ」

「何でもない、ところで地図は?」

「できたよ、するとね、また凄いものを発見したよ!」

「どれどれ?」

俺がルイスが見た凄いものの正体は、隠し部屋だ。

左にあったわけだから、右にも同じ部屋が作られてるか、それは考えてなかった。

だって、部屋入ろうとしたらスケルトンの群れだぜ?

地図作ってさっさと逃げたかったよ。

「位置的にはここだよね?」

「そこだな」

「なにもないよ?」

「ちょっとどいて見てろ」

俺が隠し扉がありそうな壁の前に立ち、よく観察してみるが、特に周りの背景と代わりのない壁がそこには存在している。

「ルイス、ここの壁破壊しようぜ」

「遺跡が崩れちゃうよ」

「なら…」

ドンッ

俺が、少し…いやかなりヤケになり、壁を強く蹴ってみる。

もちろんそんなことで開くわけもなく、壁はビクともしない

「まぁ、開かないよな…」

バタン!

「は?」「え?」

目の前で起きたことは…ただ壁が崩れた、それだけだな?問題ない

「あぁ、開いたんだな」

「平然と処理しないでよ!どうなったのさ!」

「知らねぇよ!とりあえず開いたんだよ!わかったか!」

「はぁ…不思議な事だらけだよ…」

「よーし、行くぞー」

もちろん、近くにあった松明は一本抜かせてもらったけどな。

「相変わらず暗いな」

「仕方ないよ、遺跡だもん」

「それを言ったら終わり…っと」

「何してるの?」

「ちょっと何かないか物色中」

「金目のものを?」

「そうだぜ?」

「やっぱりね…」

「なんだよやっぱりって」

「なんでもない」

「お、これはなんだ?」

「どれ?え…」

俺が、見せたものは、透明なオーブに真っ黒な煙が入ってるような感じの物だった。

「何処かで見た覚えが…気のせいかな」

「まぁいいか、持って帰ろう」

手持ちは鍵で精一杯だし、俺は鞄なんて持ってないから、ルイスに持ってもらうことにした。

「さて、残る場所はあの鍵の場所か」

「だね」

俺は早くこの遺跡の調査を終わらせるために、そして遺跡に眠る財宝を根こそぎ奪い取るために、鍵の掛かった扉の前まで全速力で走った

「お宝のよかーん!」

「なんでそんなに重いもの持ってても無駄に速いのさ!」

「宝が俺を求めてるからだぜ!」

「意味がわからないよ!」

俺とルイスが鍵のかかった部屋の扉の前に立つと、扉の大きさは異常で、俺の身長の三倍ぐらいじゃないか?というぐらいに大きい、鍵は俺の手の届く場所で助かったけど…

「よし、開けるぞ」

「…うん」

緊張しているのか、ルイスの喉からゴクッという音が聞こえる。

「せい!」

俺が鍵穴に大きい鍵を無理矢理押し込み、力任せに回すと

ガチャン!

と、手応えのある音を立てて少しづつ扉は開いた。

その扉の奥にあったのは、ただ広いだけの、なんの代わりもないただの遺跡の一部屋だった…。

「うわあああぁぁぁぁ!」

「な、なんだよエイキ」

「宝が俺を求めてるとか言ったけどなんにもないじゃん!こんなにひどい惨状は見たことないぜ!?」

「俺も初めて見たよ、宝がなかったぐらいでここまで叫ぶ人」

「くっそぉ…探すぞ」

「いや、探すも何も、あの台座怪しくない?」

「台座?」

部屋の中心をよく見てみると、小さな台座がポツンと置かれている。

その台座の上には、錆びてボロボロになった長い何かが置かれていた。

「なんだあれ」

「知らないよ」

「いくか」

「うん」

俺が部屋に入り、台座に近づこうとすると、どこからともなく、声が聞こえてきた。

「お前たちは、何をしにここへやってきた」

「どこだ…?」

「上だ」

「上…?」

声のする方に目を向けると、そこには、ローブを羽織った怪しい人がシャンデリアのような装飾に座っていた。

「誰だよ」

「知らない」

「名を聞く場合はそっちから名乗るのが礼儀じゃないか?」

「次からそうしてやるよ」

「…仕方ないな、名乗ってやろう、私は《八賢者》クオン・へルガル、さぁ、名乗ってもらうぞ、お前たちが何者で、なにをs」

「篠崎 永綺、財宝漁りとマッピングだ」

「エイキ!?何言ってるのさ!?マッピングがメインだよ!」

「ほう、財宝というのは、例えばそこの道具か?」

「そうじゃないのか?錆びてるけど」

「それは今から二百、三百年前に作られた《鎌》という武器だ私が使用していた武器なんだが…」

「あー、死神のね」

「知ってるの?」

「なんとなく」

「エイキはいつも返答が曖昧だね」

「鎌か、ダガーじゃリーチが短いし当たらないんだよなぁ、でも鎌って、振り回すと隙がなぁ…」

すると突然俺の服のポケットから例の通信機が鳴りだした。

「なんだそれは?」

クオンが不思議そうにみているが、横にいるルイスも、少しは気になっているようだ。

恐らくここにいる全員(俺以外)は、気になってるはずだ。

通信機を取り出すと、ホログラフが現れ、女神様と例のメイドが等身大フィギュアのように、俺の目の前に立っている。

完成度上がってきてない?

すると賢者であるクオンが驚いたように

「なんと女神様ですか…懐かしいですね、今でも忘れませんよ、あの時、遺跡の守護者である私たち八賢者を遺跡の奥に閉じ込め、道具に封印された恨みは」

道具に封印?何を言っているんだ…

「あらら?硬いこと言うのね、折角永遠に生きていられるようにしてあげたのに」

「それが迷惑だと言っているのだ、賢者は生きているものが使命を尽くすもの。

それは女神様でも知ってるはず」

「えぇ、知ってるわよ」

「ならなぜ…」

「実力がなかったのよ」

「は?」

「この世界には賢者になれるほどの実力を持つ者はいなくなった、だから、貴方たちを賢者のままの時間で止めたのよ、この世界に素質を持つものが現れるまで」

女神様がハッキリと低い声で言うと、クオンは黙り込み、しばらくすると

「…なるほど、理解しました、要するに、ここに現れる者に試練を与え、その試練を突破したその者を賢者にすればいいのですね」

「話が早くて助かるわ、じゃあ、私はこれで」

そう言うと、女神様は俺には何も言わず消えてしまった。

ちょっと待て、今の会話からすると女神様は十分この世界の事知ってるじゃないか、本当の目的はなんなんだ…?

「さて、シノザキと言ったな…お前達に試練を与える」

「ちょ…ちょっと待て!」

「なんだ…」

「試練をクリアしたら俺に賢者になれって言うんだろ!?」

「損はないと思うが?」

「ないだろうけど!それは八つ当たりなんだろ!」

「うるさい、始めるぞ《アイアンブロークン》!」

クオンがそう叫ぶと、遺跡の天井が落下し、その瓦礫はどんどん俺たちよりも大きな人型を形成してゆく、瓦礫が完全に人の形になった時、それは…巨大な瓦礫のゴーレムとなった。

「うっわぁ…勝てる気しねぇわ…」

「これと戦うなんて無理だよね…体が砕けちゃうよ」

「試練の内容は簡単だ、この《アイアンブロークン》を越えて、そこにある鎌を手に取れば君たちの勝利でいい」

「なんだ簡単だなこれなら…」

「ただし」

クオンは少し息を吸うと

「コイツはお前たちを本気で殺しに行く」

喰らったら死ぬな…

「どうする?エイキ」

「どうもこうも…」

「もう始まってるぞ?守護のため動かないが、だから早くしろ」

「わかったわかりましたよ!うるさいなぁ!」

「本当にやるの!?」

「やるしかないだろ、あのうるさい賢者様を黙らせるには」

「…だね」

「よし…まずは無駄だと思うけど…」

ゴーレムは俺たちが範囲内に入らない限り敵対しないようで、俺がただここにいても、ゴーレムからは襲ってこないようだ。

ならこの隙に…

パァン!

カァン!

うわ…弾痕すら付いてねぇ…

撃たれたにも関わらず、やはりゴーレムは動かない。

移動範囲が限られているんだろうか?

「ルイス、俺は後ろに回り込むから、アイツが俺に気付いて近づいてきたら一気にやれ、いいな?」

「やってみる」

「よし」

俺は、ルイスが了解したのと同時に、部屋の壁に張り付くように部屋を半周し、ゴーレムの背後に付いた。

「よし、ルイス、行くぞ!」

「わかったよ!」

俺の掛け声を合図に、ゴーレムの後ろに設置された台座に走ろうとするも、ゴーレムは一瞬で俺に気付き、台座を飛び越え、俺の前に立ちはだかった。

だが、この遺跡の所為なのか、よくわからないが体がすごく軽く、ゴーレムが俺に向かって振り下ろす腕も、軽々とかわすことができる。

俺はただ、ルイスが鎌を手に取るまで引きつければいいだけ…と思っていたが…

「氷つけ!《アイシクル》!」

ルイスは、鎌を取るわけではなく、ゴーレムの足元を凍らし、見事な足止めをした。

「エイキ!今だよ!」

「そんな隙があったらさっさと鎌を取れよ!」

「エイキが取るんじゃないの!?」

「何のための囮だ!バカ!」

ゴーレムの足が氷によって止まっている間に、俺は台座まで走り、鎌を掴み取った。

その途端さっきまで、俺を殺そうと動いていたゴーレムは一瞬にして崩れ去り、元の形である瓦礫の姿へと戻り…

なんだこれ、全然難しくないぞ…もっと難易度高いかと思ったのに…これならスケルトンロードの方が強かった。

パチパチパチ

「お見事、まさかこんなにも簡単にアイアンブロークンが突破されるとはな…」

「じゃあ、この鎌は貰ってもいいんだよな?」

「その鎌の魔装具(アーティファクト)を持っているならな」

「魔装具?」

「なんだ、知らないのか?この世界には、世界で一つだけしか存在しない道具が存在する。

その道具の種類は、《マジックアイテム》と言われているのだ」

「マジックアイテム…?」

「そうだ、マジックアイテムとは、それぞれ道具の真価を発揮する道具が装備されていて、その道具の名前が魔装具だ」

「へぇ、それで、この鎌の魔装具の形は?」

「中に黒のソウルストーンが入ったオーブだ」

「ソウルストーン?」

「なんだ、これも知らないのか?ソウルストーンというのは、魂のカケラを与えられた石のことで、石の色によって封じ込められてる魂のカケラが違うのだ。

そのオーブに入ってるミストストーンは、魔神フィスカトロの魂のカケラが封じ込められていて、災害を操る力を持っている」

「つまり、そのソウルストーンのオーブさえ持ってれば、いいんだな?」

「そういうことだ」

「ねぇ、エイキ、さっき拾ったこのオーブがソウルストーンのオーブだと思うんだけど…」

ルイスがカバンからさっき隠し部屋で拾った謎のオーブを取り出しながら呟く。

「これなのか?」

俺はルイスからオーブ受け取り、クオンに見せると

「隠していたんだがな…」

なぜかクオンが顔をしかめ…

「じゃあ、これでいいのか」

「あぁ、それと鎌を俺に渡せ」

「渡したら消えるとかないだろうな」

「バカにするな、私は八賢者だそんな事はしない」

「ふーん…なら」

多少は疑いながらもクオンに鎌とオーブを渡す

「八賢者の奇跡を見るがいい!」

えらく自信があるようだが、本当に大丈夫なのか…?

「コード0684カラミティオルデスト、コード0008ディザスターオーブ、セットコネクション…コード3196ペインカタストロフ!」

「っ…!?」

クオンがなにやら発音のいい英語に似たような言葉で詠唱が終わった頃、二つの道具が光りだし、俺たちは眩しさに耐えることが出来ず目を塞いだ。

「いつまでそうしているつもりだ」

クオンが不機嫌そうに呼び掛ける。

「終わったのか?」

「そう言っているだろう、ほら、これがお前たちの言う財宝だ」

クオンの片手に持っている鎌は、闇の中で煌めく炎のように紅く、鎌の錆はいつの間にか消え去り、魔装具であるオーブが刀身にはめられている。

「………」

俺は無言で鎌を受け取り、鎌を二人から離れたところで軽く振ってみる

ヒュン!

心地のいいような風を切る音が俺の周りで響く

「いいな、これ」

「だろう?なんと言ったって私が使っていたんだからな!」

クオンがなぜか不機嫌からご機嫌だが、それはさておき、鎌を使ってみるというのは中々面白いもので、ダガーを振るより体への重みが掛かって気持ちがいい。

鍵を振るのとは全く感覚が違う

「さて、もうここにいる必要はないな、帰ろうぜ、ルイス」

「そうだね、じゃあ、クオンさん俺たちはこれで」

「あぁ、また来るがいい、これからも遺跡を巡るんだろう?特にシノザキとやら」

「そのつもりだ、なんで分かったんだよ」

「なんとなくだ、では、また会おう」

「たまにはここに来てやるよ、じゃあな」

「相変わらず上からだね、エイキ」

「そんなに褒めなくても…」

「大丈夫、褒めてないから」

「……?」

俺が振り返った時には、クオンが居た証拠も残さず消えてしまっていた。

「…いなくなっちゃったね」

「どうせまた来たら会えるって」

「そうだね…帰ろうか」

「よし、行こう」

俺たちが遺跡から出ると、もう辺りが真っ暗で空には三日月が輝いていた。

「今、何時だよこれ」

「なんじって…何?」

「んあ?知らないのか?」

「ギルド長も時々言うけど、教えてくれないんだ」

「ふーん…じゃあ、俺も言わない」

「なんでなのさー…」

「その時が来たら言うから我慢しろ」

「ギルド長もそういうんだよ…」

「ははは、じゃあ帰るか、徒歩だけど」

ルイスがかなりふてくされてるが、そんなことも気にせずに俺たちの帰るべき家に帰る。

〜その帰り道〜

「あ!エイキ!」

「どうしたいきなり」

「あの台座の部屋、地図作ってないよ!今から行こう!…ってあれ?」

「あぁ、これの事か?」

ルイスが慌ててカバンから地図を取り出そうと探しているが、俺がジャケットから地図を取り出すと、ルイスが不思議そうな声をあげた。

「な、なんでエイキが…」

「お前がカバンからオーブを取り出した時についでに取った」

「慌てた俺がバカみたいじゃないか」

「残念だったな」

「そんなことより、いつ調査してたの?」

「クオンが変な事言ってた時」

「なるほど…」

俺たちが帰り道で色々話していると、ギルドホームの前で扉にもたれ、ジッと誰かを待っているように居座っている。

ぶかぶかのクセに無理して大きい服で、変な模様が入った服を着ている男のような女性だ。

「おーい、天神ー!帰ったぞー!」

「ギルド長!ただいまー!」

俺たちが見つけた女性に声を掛けると、安心したような顔で微笑み…

「遅かったじゃないか、心配したぞ、おかえり」

「ちょっと色々あってな、それより、見ろよこれ!」

俺は片手に担いでいた鎌を自慢気に天神に見せる。

「この世界に大鎌が存在していたとはな…」

「凄いだろ?しかも八賢者の愛用品だ」

「八賢者…?生きていたのか」

「消えたけどな」

「そうか…その大鎌の銘はなんなのだ?」

「その八賢者が言ってたことが武器の名前なら…確か『ペインカタストロフ』だっけな」

「日本語だと災害の痛みか…なんとも嫌な響きだな」

「初期武器ダガーよりいいと思うぞ」

「そうだな、じゃあ、二人とも、今日はパーティだ、存分に楽しめ!」

ギルド長がギルドホーム扉を勢い良く開くと、そこには…

「よく帰ったな!」

「さっさと始めようぜ!」

「今日は酒を飲むぞー!」

と、楽しそうにギルドの皆は俺たちを歓迎してくれた。

「な、なんだこれは」

「皆が篠崎達の依頼成功のために祝おうって話しになってな、それで今まで宴会のための準備をしていたんだ」

「楽しそうだね!エイキ!」

「そうだな、よし、じゃあ、今日は食って飲んで、朝まで大宴会だー!」

「おー!」

俺たちの遺跡調査は無事に終わり、ギルドの皆で朝まで飲んだ。

俺が酔いに任せて遺跡であることないことを話すと、ギルドメンバーの一人が自慢気に自分の武勇伝らしきものを語り始め、俺を抜いて自慢大会が始まったのはここだけの秘密。

ついでにひとつ…俺が朝起きたらギルドの皆がギルドホームで倒れていたのは言うまでもない…

今回は長いですね、俺の書く字数にしてはですよ?

普通の小説を読んでる方には、丁度いいぐらいじゃないでしょうか?

では、今回のあとがきは補足にしましょうか

なぜ、ゴーレムよりスケルトンロードの方が描写だけは長かったのか。

それはですね、もちろん俺の気力が持たなかったからですよ(ドヤァ

では次、賢者がなんか言っていたコードについて。

今回は災害がテーマでした(やっぱり安定の後付け

まず0684カラミティオルデストについて

日本語にすると《最古の災害》になるはずです。(多分

これは日本で起きた最初に起きた大災害が起きた年号を当てさせていただきました。

648年に起こった災害とは、白鳳地震と言われるもので、天武地震とも呼ばれているらしいですね。

次に、0008ディザスターオーブについてですが、深い意味はありません。

災害の神が8番目に現れただけです。

次、3196ペインカタストロフについて、これは、世界で一番大きい災害じゃないかと言われていて、100万人程の犠牲者が出た災害らしいです。

3196○災害 と言われています。

ここでは完璧には名前を言いませんが、今書いているキーワードを抜き取って検索してはいかがでしょうか?

さて、後書きもここまでにしましょうか

次の話はいつになるのやら…

ではでは〜…

貴方に永遠の月明かりがあらんことを…

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