表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

ギルドマスター

はいどうも神白です。

今回は会話シーンだけですので、面白くない方は面白くないと思います。

いや、正直俺でさえ面白くないかもと思います。

では、本編へどうぞ!

「な、なな!何をしている!?」

「え?あ、いや…これは…ね?」

「エ、エイキ、どうする…?」

ここは、ギルド長の家だ。

さっきまで俺たちが暴れていたギルドホームの隣に建てられていて、一見、外からは出入り口の扉もないような家に見えるが、実は出入り口は外からではなく、ギルドホームの扉に玄関が設置されているらしい。

そして三階建てで広い。

今日の俺たちはこのギルド長の家に泊まることになっている。

で、今この状況は、ギルド長がついてこいと言ったので、俺は言われた通りに、ただついて行った。

ただそれだけだったんだ。

悪気は無かった。

まさか部屋まで着いて行ったら、ギルド長が着替え始めるなんてな、俺はただ、呆然と口を開けていることしか出来なかったんだぜ。

「で、出ていけェ‼︎」

「「うわぁぁぁ!?」」

ギルド長が硬直したあと、我に返ったのかよく分からないが、大きな火の玉を手の上に浮かばせ、俺たちに放った。

〜それから〜

「…さっきは見苦しい姿を見せた。」

「ま、まぁ、俺たちが勝手に部屋に入ったのも悪いし…な?ルイス」

「え!?あ、あぁ、そうだね、僕たちが悪いよね」

気まずい空気が流れる

「で…だ」

ギルド長が俯きながら声を平静に保とうとしながら、声をかけてくる。

「見たか…?」

は?何を?

「見たのか?見てないのか?」

「い、いや、何を言ってるんだ?」

「…ならいい」

なんか、よく見るとこのギルド長、男なのに女っぽいよな…

まぁ、見た目で判断しちゃいけないってのが元の世界の常識だし、今はどうでもいいか。

「悪い、ルイス、ギルド長と話があるから、部屋を出てくれ」

「え?いや、俺もいるよ、話も聞き…」

「出ていてくれ」

「…分かった」

ルイスに話してないことをこの人に話すかもしれないからな…

ルイスは、俺の事を察してくれたのかささっと部屋から出て行ってくれた。

「いいのか?」

「あぁ」

「じゃあ、ラグナロク、いや、エイキだったか?お前がなぜ偽名で隠し通しているかだ。」

「あぁ、それは…」

この話になるとは思っていたが、いざとなると話しにくい。

「今すぐ話せない事情でもあるのか?」

「いや、そういうわけじゃない…」

「なんだ?歯切れが悪いな」

確かに俺としては信用できる人だ。

だけど完全に信頼しているといえば違うし。

「「…」」

二人の間に沈黙が生まれる。

「あー…えっと」

「今日言っていたことと、なにか関係があるのか?」

「え?」

今日この人と話したことはギルドの事ぐらいだ。

他に話していた覚えはない。

いや…ひとつボロを出したな…

「今日、お前は外から来たと言っていただろ?」

「………」

まさかそんな細かいところまで聞き逃さず情報として持っていたとは。

「これでもこの世界唯一のギルドの長なんでな、ひとつひとつを情報として取り得ているつもりだ」

「情報収集もお手の物だろうな」

「そう褒めるな」

もうこれは話すしかないか、言い逃れはできない。

「俺は…日本という別の世界から来たんだ。

正確には地球って場所なんだけど」

「…は?」

やっぱり…そう簡単には信用して…

「今なんと言った!?日本だと!?」

食いついた!?

どうしてここまで反応するんだ?

もしかして…いやギルド長だぞ、それに外の世界から来たのは俺だけのはずだ。

女神様からなんとも聞いていない。

「日本って…あの日本か…?」

「どの日本かは知らないけど、日の丸印の日本だ」

そうか…と呟くと、ギルド長はしばらく考え込み、表情が見えなくなるほどに深く顔を落とした。

「なぁ…」

「なんだ?」

「どうしてそんなことを聞く?」

「…言わないとダメか?」

「情報交換は異世界では基本なんだよ」

間違ってはいないと思う。

「…本名を言うなら教えよう」

ここは言うしかないか。

情報の為には軽い犠牲は必要

「俺の本当の名前は、篠崎 永綺だ。俺はギルド長の名前をまだ聞いてない」

「いつもギルド長で誤魔化してたんだけどな…」

どれだけ本名言いたくなかったんだろうか…

「私の名前は、天神(アマガミ) 由良(ユラ)だ」

「なんというか、女らしい名前だな」

「…そうだな」

「…何か他に隠してないか?」

「別に…」

突然ギルド長は目を逸らし、暖かい紅茶を静かに飲む。

「俺の目は誤魔化せないからな?」

「はぁ…私の演技力も落ちたな」

紅茶のカップから口を離し、ため息と同時に呟く。

「俺の洞察力が高いんだよ」

「…信じるかどうかは気にせず言うが…私は女なんだよ…」

「へぇ…はぁ!?」

今日は何度驚いただろうか…

いや、そんなに驚いてないか

「それに、誤魔化していたのは、名前だけじゃない…」

「まだあるのかよ…」

名前と性別だけじゃなく、他に隠していること、それは…?

「私は、三年前にこの世界に来たんだよ。

この眼の所為でな…」

言い終わると、彼…いや彼女は今まで閉じていた片目をゆっくり開いていく。

「しばらく開けていないから目が痛いな」

俺の目に映る彼女の片目は、黒目の周りに更に黒のリング状の線。

「驚かないんだな」

「いや、内心驚いてる…」

オッドアイに、更に変な性質の目なんて、"普通なら"かなり驚くだろう。

え?俺は普通じゃないのかって?

今まで君たちは何を見ていたんだい?

アレは非常識ばかりだろう?

こんな事で驚いてられるか。

「それにしても、なんでそれが原因なんだよ」

「…?あの世界の普通を知っていればわかるだろ?

普通は私を怖がり、避けるのが当然だと思うが?」

あぁ、なるほど…イジメが原因か…

「俺はそんな事で蔑むような人でなしではないからな、俺には分からない」

「そうか、安心したよ」

「というか、どうやってきたんだよ、その目の所為って言っても、その目の何が原因なんだよ」

なんだろうか、元々同じ世界の人間というだけでこんなにも話しやすいものなのか。

「それは…自殺だよ」

自殺…?

「あの世界に居るのは私には耐えられなかった…」

紅茶を飲みながら話す彼女はどこか懐かしいものを思い出すような顔をしていた。

「仕方なかったんだよ、あの時飛び降りて死ぬのが私の運命だったんだろうな」

さっきまで開いていた赤い目をゆっくり閉じて行く。

「………」

「…篠崎?」

「なんでもない…」

「今更何を考えても無駄だろう?」

彼女はまるで、自分の事を諦めているような感じがする。

今までどんな仕打ちを受けていたんだろうか…

二人に重い沈黙が周りを包み込む

「もうこの話しはいいだろう、それで…篠崎がここに来た理由はなんだ?」

今まで重い空気だった沈黙を今まで通り無関心に話を流したのは彼女だ。

が、質問の意味がよく分からない。

「理由って、女神様からの依頼だろ?」

「女神様…?美人すぎるということか?」

「え?この世界の偵察をしてこいって…」

「いや、よくわからない、詳しく教えてくれ」

今まで起きたことを全て整理して、話して見たが、ちゃんと伝わったかどうか…

「つまり…今、私たちが住んでいるこの世界を調べて来いと言って篠崎は、ここに飛ばされたと」

「ま、まぁ…そんな感じだな」

理解力速いし…飛んだ訳じゃなくて落ちたんだが…ギルド長は皆こんな処理能力をしてたりするのか!?

「私の場合、自殺して意識を失った時にここに辿り着いたから、その依頼とやらは知らないな」

女神様と話をしていない?

同じ日本から来たはずなのに、女神様を経由せずにたどり着いたのか?

「私は死後の世界に来たのかと思ったよ」

冗談で言っているようだが、俺には冗談に聞こえなかった。

俺の死は予定外だったと女神様は言っていた。

なら、その死は『無かった』としたら?

「…もしかして元の世界の俺は今も生きてるのか?」

「…どうした、如月?」

天神が俺の事を心配そうに見つめてくる

「篠崎だ。わざと間違えただろ…」

「何のことかサッパリだ」

どうやら、俺の様子がおかしいことに気づいて、慣れない冗談を言ってくれたようだ。

こんなところでうじうじ悩んでても仕方が無い、今はこの訳のわからない世界のことを調べて行って。

それを女神様に伝えればいいんだ。

今はとりあえず気にしないで、今気にするべきことは

「天神、俺達のこれからの宿ってどうすればいいんだ?」

「ん?ここに住まわせてやろうと思っていたのに、ここでは不満か?」

今日だけかと思ってた。

「え?いや、ほら、女性の家だし」

「取ってつけたような言い訳だな」

「う…」

「構わんさ、どちらにしろ私には広すぎる」

まぁ…三階建てを一人で使うのは無理か

「食事は?」

「毎日三食を約束してやろうか?」

「そこまでしてくれるなら断りづらいな」

「断ってもいいんだぞ」

「よろしく頼みます」

「こちらこそ」

これからの宿の心配はないな、なんというか色んなことがサラサラ決まって行くのが逆に怖いけどな

「そろそろルイスを呼んでこい、ご飯を作っておく」

「分かった」

俺が部屋から出るためドアノブを引こうとすると、扉の向こうから廊下を走るような音がした。

「聞かれていたようだな」

後ろからギルド長の声がする

「行ってきます」

俺は急いでルイスの影を追った。

ギルドホームを経由して外に出ると、そこから少し離れたところの広場にルイスは座っていた。

「聞いてたのか?」

俺が遠目からルイスに声を掛ける

「え?なんのこと?」

背中を向けたままルイスは返事する

「俺たちの会話ドア越しに聞いてただろ?」

「俺はそんなことしないよ」

「嘘は良くないぞ」

「はいはい、悪かったよ、そろそろご飯なんだろ?早く行こう」

「あぁ、いこう、今日の晩ご飯はなんだろうな?」

「ギルド長が料理するタイプだとは思わなかったなぁ」

「楽しみにしとくか」

「そうだね」

今日の晩ご飯はこの世界にはない、ルイスにとって初めて食べる料理、オムライスだった。

はい、ギルド長、実は日本人だったんですねー

ギルド長がギルド長らしからぬ服を着ているのは、性別を隠す為だったわけですよ。

かなりダボダボですからね

最近投稿ペースが落ちたんでしょうかね。

前は一週間以内には出せたんですが…

次からは一ヶ月に一回になってしまいそうですね。

では、次回は初の遺跡調査!?(予定変更ある

お楽しみに!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ