EP1 中編*そこは欲望の渦となる
お待たせしました
中編です。聖の純潔は守られるのか……!
……私は湯船で沈んでいた。
……一人称が変わった?ああ。
そりゃあ、着替えの時にあらためて自分の姿を見たからだ。
自分で言うのもバカみたいだけど、我ながら見事だったよ。
こりゃあ、アレだ。自分は女だともう認めざるを得ないよ。
ちくしょう。考え方まで女みたいになってきたよ。
で、湯船で沈んでいた。輝は少し遅れてくるようだ。
むぅ。何故か気にならない。本当に女の思考になってきたのかもしれない。
と、そんなことを考えていた時、
「ひーちゃん!!お待たせ!!」
ドガッとせっかくの木製の見事な扉が吹っ飛んだ。
「……ドア、壊すなって言ったヨネ?」
「ひ、ひーちゃん?」
ああ、何か切れた。
「アハハハハハハハハハ!輝の悪いところは頭かな?それとも耳?」
「ヒィィィィィィィィィィィィ!!!ひーちゃん!?怒ってる?おかしくなったよ」
「怒ってない怒ってない怒ってな__」
あ、いけない。ヒトダマが出始めた。ほら、私、幽霊族だから。
「ひ、ひーちゃん?お願いだから、ほら、それ洒落にならないから!」
「無駄ね。言語能力がログアウトしたわ。」
何やらメガネの少女。何故メガネが曇らないのだろう。
「あ、憧(しょう)!丁度よかった!!ひーちゃんを戻して!!!」
「何言ってるのよ。あなたが自分でやりなさい。私は見てるほうが楽しいわ」
そう言ってる間に聖がどんどん近づいてくる。
「なら方法を教えて!!」
すると、甘魅-憧(あまみしょう)はニヤリと笑い、
「ええ。耳をかしなさい。」
ゴニョゴニョと輝に何か吹き込む憧。
すると、輝は耳まで真っ赤になり、だがしかし、
「ひーちゃんを戻すため!がんばるよ!!」
と、キスをしてきた。
…………え?
ああ、すいません。
まだ、聖の純潔は保たれています。
よかった………。