親衛軍育成
1.親衛軍誕生編成
リバトーンを解放し、
さらにグランフィールを味方につけたとはいえ——
我らは、まだ「軍」と呼べる存在ではなかった。
兵は寄せ集め。
統率は未熟。
装備も、思想も、まちまち。
このままでは、王都に至る前に瓦解する。
そう判断したのは、ほかでもない、この俺——
ルークス・ハーヴェイだった。
まず、兵站である。
剣や槍より先に、
戦は「運ぶ」ことから始まる。
人が担げる量には限界がある。
だが、馬は違う。
乗りこなすには技量が要るが、
荷を引かせるだけなら、訓練は最小限で済む。
馬を知り尽くした俺だからこそ、
即座に思い至った合理的な選択だった。
さらに、俺は古代の兵器の存在を思い出した。
忘れ去られ、誰にも顧みられなくなった戦の知恵。
異世界人たちは未来の知識に長けていたが、
過去と現在を結びつける発想には乏しかった。
そこで俺は命じた。
「この兵器を、現場で使える形に落とし込め」と。
どれほど優れた武器も、
使えなければ意味がない。
説明し、共有し、理解させる。
それこそが、前線を知る者の役割だ。
士気の問題も見逃さなかった。
歌は心をつなぐ。
だが、軍隊には軍隊の“律”がある。
掛け声、足並み、呼吸。
その違いを少し教えただけで、
兵たちの動きは見違えるほど整った。
兵站。
説明。
過去との接続。
士気。
そのすべてが噛み合い、
世界人たちは本来の力を発揮し始めた。
2.陛下の決断
——俺の差配が、ようやく形になった瞬間だった。
そんな折、王子ベルトランの圧政に耐えかねた兵が、
次々とこちらへ転がり込んできた。
帝国との衝突も避けられぬ情勢。
ここで躊躇すれば、国は二つに引き裂かれる。
俺は、なお迷いを見せる王女の前に立ち、
静かに進言した。
「異世界人という“知恵”を得た今、
人の知恵、そして私をはじめとした士気は我々のほうが上です。
彼らの知恵もあり、王国西半分は、すでに王女の味方です」
「人と地、その両方が整ったこの瞬間はまさしく天啓といってよい。
そう、今こそ立つべき時です」
この一言が、王女の背を押した。
——王女の決断。
それこそが、革命の扉を開いた鍵だった。
3.軽視された過去-リバトーン解放とグランフィール
アヤが本を閉じる。
「……はい、では検証に入ります」
「まず、リバトーン解放とグランフィールとの取引、
ほぼ一行で済ませてるけど?
そこ、めちゃくちゃ時間かかってるよね」
「港のダイアグラム、風車の図示、私の図が何十枚あったと思ってるの」
「せっかく歌で街を開放して、
グランフィールでの経験が帝国を退けたきっかけなのに、
全部なかったことに」
「そういえば、リバトーンで私を守ってくださったのは、
ダリウスとでしたね。」
「当然のことをしたまでです。
あそこで戦闘に発展しなくて本当に良かったです。」
「わ、私も、ほら観光、、、兵站研究以外もさ、
リバトーン演説では後ろかささやいたし、
ちゃんとやった、ルークスは?」
「……ダリウスの後ろで見守っていた」
「要するにルークス視点だと書くところがなかったのね」
4.親衛軍発足の経緯
「じゃあ、次は親衛軍発足の経緯だけど馬を兵站に使う提案したのは」
「それ、俺だよね?」
「……発案者はお前だが、採用判断をしたのは俺だ」
「そこは否定しないけど、
“馬を知る俺だからできた”は盛りすぎ」
「史実:提案ハルト、判断ルークスと
次の古代兵器の知識、私よね」
「……軸受けとか効率化の提案は俺だ。
さらに、設計させるためにわかりやすい図を描いたのは」
「私よね。ハルトの設計図が下手だから、
一生懸命わかりやすく書いたのよ」
「その、ことあるごとに説明下手を強調しないで」
「ハルトがミツキの尻に敷かれているのはいつもだけど、
それも書いてない」
「いや、それ書いてある必要ないから。」
「ちょっと、そんなことないから。私優しいから
あと、ハルトも否定してよ」
「掛け合い漫才はそろそろ置いておいて、本題本題。
次の軍隊のリズムを整えたの、俺」
ダリウスが肯定した
「実際、あれは見事だった」
ルークスが申し訳なさそうに細くした
「……軍隊ならではのリズムはちょっと教えたかも」
「確かにちょっとは教えてもらったかな。それは認めるよ。」
5.アリアの決断は誰の功績?
「一番認められないのは天地人の説明。それ私」
「……」
「しかも“全部揃ってなくても、立つべき時”って言ったの
全部そろっていたら決断しないほうがだめじゃない」
ハルトもつぶやいた
「英雄記だと、完璧に整ってから決断したことになってるけどね。
あ、そういえば、誰だっけ、地理オタクが世界を救うなんて無茶苦茶とか言ったの?
そのあと、ちゃんとチリおたくの知識生かしたぞ」
アヤが慌てて言い訳をする。
「いや、あれは言葉のアヤで、、、
って、なんで私が自分の名前でダジャレ言わないといけないの!」
アリアはいつもの二人を見て微笑み、
かつその時のことを思い出しながら返答した
「まあ、まあ、アヤさんのあの時の気持ちは理解していますから。
確かにあの時は迷いがありました。
あの時のアヤさんの言葉がなければ今があったかどうか」
「……」
「そ、そうよ、あれは場を和ませて決断してもらうためだったの。
いらない茶々入れないで。
ということで、ここ、完全に脚色
私の最大の見せ場が奪われた納得できない」
「まあまあ、アヤ、こういうのって、どうしても脚色はいるから」
「それはわかっているんだけどね。自分の最大の見せ場が奪われるとね。」
「俺が書いたんじゃにのに、なぜ俺が責められる」
「次はだれの見せ場が奪われるのかな。革命の誕生日では」
「俺が奪ったんじゃないのだが」
ルークスの嘆きは完全に無視された。




