表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/18

第12話 白刃と雷鳴

鳥居の亀裂が、脈打った。


次の瞬間、再び黒い霧が噴き出す。


霧は空中で絡まり、膨張し、異形を成す。


三つの角。六本の腕。腹部に裂けた口。


鬼が、境内へ降り立った。


「またかよ……!」


蓮が雷牙を抜く。


彩乃も小夜を握ると、鬼は地面を蹴った。


砂利が砕け、巨大な腕が振り下ろされる。


彩乃が受け止めたが、衝撃が肋骨に響く。


「っ……!」


傷がまだ癒えていない。


だが彩乃は退かない。


蓮が横から雷撃を鬼に叩き込む。


鬼の腕が吹き飛んだが、黒い肉が蠢き、再生する。


「再生しやがった……」


鬼の腹の口が開き、黒い瘴気が吐き出される。


触れた地面が腐る。


彩乃が跳び、銀の軌跡が鬼の胴を裂く。


だが浅い。


鬼が咆哮し、六本の腕が同時に襲いかかったが、蓮が前へ出る。


「彩乃先輩!」


雷牙が唸り、雷鳴が鳴り響く。


鬼の腕、四本を弾き飛ばしたが、残りの二本が蓮の肩を打つ。


「行くぞ!合わせて斬るんだ!」


銀と雷が同時に炸裂すると、鬼の身体が崩壊した。


そのまま身体は黒い霧となって霧散したのだ。


だが鳥居の亀裂は消えずに、むしろ広がってきている。


「いつになったら終わるんだよ……」


蓮が息を吐いたその時、空気が凍ったように感じた。


境内に白い光が揺らめき、現れたのは――白夜と陽菜。


「なかなかやるね、君たち」


白夜が微笑むと次の瞬間、その身体が淡く輝き始める。


「これは、どうかな?」


光が収束し、陽菜の手に純白の刀が現れる。


白夜の声が刃から響いた。


「僕は陽菜と契約している。彼女の刃だ」


陽菜が構えた瞬間、消えた。


いつの間にか蓮の背後に現れ、蓮は雷牙で受ける。


轟音。


衝撃波。


地面が抉れる。


「陽菜ちゃん……お前……」


白刃は迷いなく蓮の急所を狙っている。


それは重くて鋭い。


圧倒的だ。


彩乃が加勢しようとするが、白刃が空間ごと薙ぐ。


衝撃で後退するが、傷が疼く。


蓮が叫んだ。


「彩乃先輩!」


白刃を受けながら歯を食いしばる。


「怜央が待ってます!ここは俺が引き受ける!」


「何を言っている!」


陽菜の一閃で、蓮が吹き飛ぶ。


血が滲むが、それでも立ち上がる。


「彩乃先輩は、怜央の所に行ってくださいよ」


「だが……!君一人では!」


分かっている。


力の差は歴然。


それでも蓮は笑い、雷牙を握りしめる。


「分かってますよ。でも、彩乃先輩がここでもっと怪我したら……怜央に合わせる顔がねぇ」


一瞬、真剣な目になる。


「……大丈夫っすよ。俺もすぐ追いかけます」


彩乃は唇を噛む。


「……必ず、生きて来い」


蓮がにやりと笑った。


「当然っすよ。……行くんでしょ、パンケーキ屋」


雷鳴が轟き、蓮が陽菜へ突っ込む。


白刃と雷牙が激突し、境内が揺れる。


その隙に、彩乃は鳥居へ走ると、亀裂を越えて境界へと消えた。


残されたのは白刃と、雷鳴。


これは圧倒的な差だった。


それでも少年は退かない。


すぐ追いかけるーー。


蓮の想いに、夜空に雷が走る。


戦いは、まだ終わらない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ