当たり前が壊れた日
初めて書きます。
事実を元に、気持ちの整理として書いてみました
それは静かな積み重ねだったのかもしれない。
静かに、でも確実に、深い海の底に沈むように進んでいった。
気づいた時には水面が見つからず、
もがくことも、立ち止まることも、勇気が必要だった。
それは、当たり前の崩壊を待っていたのかもしれない。
1.見えている世界に追いつくということ
目が覚めた。
目覚ましは、まだ鳴っていない。
どうやら日は上がっているらしい。
「あー、疲れた」
ひとりでに出たぼやきを、あくびと一緒に噛み殺して起き上がる。
今日こそは、仕事にけりをつけないとまずい。
適当に着替え、いつも通りポケットに頭痛薬をねじ込んでから支度をする。
目覚ましなど待っていたら、きっと寝てしまう。
相棒である白杖の擦り切れ具合を指で確かめ、
「まだいける」と声に出して家を出た。
目は生まれつき、たいして見えない。
そんな些細なことを気にしても仕方ない。
いかに健常者に追いつくか。
いかに周囲へ迷惑をかけないか。
それらが大事だ。
自分など、雇ってもらっているだけで迷惑をかけている。
だから、とにかく何かで役に立たなくてはならないと思っていた。
「雨の匂いがする」
会社まで持つだろうか、と一瞬思った。
そう考えている間に、傘を持たないまま歩き始めてしまった。
「近いし、降らないだろう」
そんな自分の甘さを呪いながら、濡れた鞄を拭いて会社に入る。
今日も幸先が悪い。
あと五分もあれば着いたはずのタイミングで、雨に遭うなんて最悪だ。
「おはようございます」
部屋に入ってそう声をかけてみるが、
上司を含め、挨拶が返ってこないことにはもう慣れていた。
挨拶なんて形式的なもので、
なんとなく彼らと同じ人種になりたくないから、
言っているに過ぎない。
昨日の夜にこっそり片付けた仕事を、
朝一で片付けたように見せるところから始める。
始業までは、まだ少し時間がある。
さすがに、連日、日を跨いで仕事をしたのが良くないのか、
頭が回らない。
気のせいだ。
そう思いながら、
定時で帰ったことにしている昨日のタイムカードが、頭にちらつく。
「関係ない。仕事が遅い自分が悪いんだ」
見えていない分、
何をどうしても、人より時間がかかってしまう。
だからこそ、
残業はしていないことにして、
陰で追いつく努力をしていた。
始業の鐘が鳴ったことに、少し驚いた。
集中していたらしい。
一時間なんて、あっという間だ。
慌てて、課の朝礼に向かう。
オンラインなので、楽なものだ。
「これだけのことに、なんでそんなに時間がかかるのか理解できない」
朝礼の記憶は、ほとんどない。
気づけば自分の報告の順番になっていて、
淡々と報告をしたら、課長から返ってきた言葉がそれだった。
サービス抜きでも、仕事が遅かったらしい。
他の課員は、内職中だろう。
長引かせても、みんなに悪い。
「申し訳ありません」
言い訳などしない。
作業の遅い自分が悪いのだから、仕方がない。
健常者に追いつく努力をするか、
サービスを増やすしかない。
朝礼をやり過ごし、仕事に戻る。
顧客への提案内容を、完成させなければならない。
健常者の、見えている世界を想像しながら、
どうすれば使いやすいかを考える。
自分に合わせると、
健常者には使いにくくなってしまう。
顧客と課長の話を思い出すが、
指示語が多く、よくわからなかったところがある。
この程度で、課長に聞くのは憚られる。
今朝のことで課長は機嫌が悪いかもしれない。
想像で補うことにした。
想像して補うのは、得意だ。
前後の会話のメモから予測して、
提案用の図や資料を作る。
健常者に合わせて作ると、
自分には、どんどん見えにくくなっていく。
でも、これは見える人たちへ向けた資料なのだから、
自分の見えやすさは二の次にするのが、
正解だと思っている。
昼休憩を潰して作った提案資料は、
課長のレビューをすんなり合格した。
達成感に浸っていると、電話が鳴った。
課長が謝っている。
嫌な予感がする。
冷や汗が出る。
課長は、やはりこっちに来た。
別件で、以前作ったものに不具合があったらしい。
客が「いらない」と言ったものを、
わたしが用意していなかったため、
「なぜ用意されていないのか」と、顧客はお怒りらしい。
客が必要ないと言った際の話し合いには、
課長もいたはずだが、みんな忘れているらしい。
「馴れ合いでやってるんじゃないんだから、
ちゃんとやってもらわなきゃ困る」
部屋の中に、課長の指導が響き渡る。
いらないと言われた言葉に惑わされた、
わたしの不注意だった。
予測して、最低限は用意しておくべきだった。
午後の記憶はない。
気づいたら、家で酒を飲んでいた。
ストロングゼロの空き缶を見る。
500ml缶が、二本転がっている。
明日も仕事だし、
このくらいにして、眠ることにした。
2.崩壊の始まり
目が覚めた。
目覚ましは、まだ鳴っていない。
日もまだ上がっていないのか、真っ暗だ。
今日は、顧客への提案をしなければならない。
別件のことも謝罪して、なるべく早く必要なものを用意しなければならない。
打ち合わせは、謝罪が先だろうか。
提案はできるだろうか。
顧客は、どのくらいお怒りだろうか。
不安が絶えない。
考えていると、意識が飛んでいた。
目覚ましが鳴っている。
慌てて準備を整える。
お守りとして頭痛薬をポケットにねじ込み、家を出た。
顧客との打ち合わせで思ったのは、
たいしてお怒りではなさそうだ、ということだった。
課長も、別件には触れなかった。
わたしの提案を、なぜか課長が説明し始めて、驚いた。
「正直、この提案は、ないなと思っています」
課長の言葉で、時が止まる。
これを言うために、
わたしから説明の機会を奪ったのだと理解する。
話が進む。
修正版の提案を求められる。
頭痛がする。
目がくらくらする。
「申し訳ありません。
修正版の提案資料を、すぐにご用意いたします」
それを言うので、精一杯だった。
頭痛の痛み止めを飲み、
集中力を取り戻してから、提案資料の修正から進めた。
いつも通り、昼休みを潰して片付ける。
お腹は空かないが、エネルギー補給のため、
サンドイッチを適当に口に詰め込み、
別件の欠品物の用意を進める。
こちらは、時間がかかる。
目で見て、多角的に、いろいろな調整が必要なのだ。
定時を過ぎても、終わらなかった。
課長には、調整の時間をいただくことに成功した。
もう少し、見える人の世界を想像する必要がある。
いらないと言っても、使う可能性はあった。
資料にいろいろ書き残したつもりだが、
顧客の「いらない」は、
完全に必要ない、とはならないのだと
理解しないといけない。
とはいえ、
いらないと言われたものに、
時間を使い過ぎてもいけない。
二十二時、という時計が目に入る。
ため息をついて、帰宅することにした。
帰り道の記憶はない。
気づけば、家で酒を飲んでいる。
五百ミリリットルのストロングゼロが、
また二本、転がっている。
明日に備えて、眠らなければならない。
提案資料は、うまく修正できているだろうか。
欠品物は、うまく作り直せるだろうか。
目が痛い。
頭も痛い。
頭痛薬は、足りるだろうか。
目薬も、持っていかないと。
考え出すと、不安が止まらない。
あれだけ酒を飲んだのに、眠れない。
夜は老けていく。
時間だけが、過ぎていく。
酒さえ飲んでいなければ、
リモートで仕事が進められたのに。
酒を飲んだ自分に、腹が立つ。
作業に、人より多くの時間を要する自分に、腹が立つ。
眠れない自分に、腹が立つ。
3.届かない不安
欠品物を納め、
提案資料に沿って新しいものを作り終えると、
数か月が経っていた。
眠れない夜は、当たり前になった。
朝起きて最初に感じるのは、
目の痛みと、疲労感だった。
めまいや頭痛を感じ、
一日に数回、痛み止めを飲む日々が続いた。
「課長のおかげで、うまくいきました。
お忙しい中、サポートありがとうございました」
形式的なお礼は、忘れない。
周囲へ、課長はよくやっていると
アピールすることにもなる。
気持ちを切り替えて、次の仕事に取り掛かる。
課長にお伺いを立てずに、
プロジェクトが進むよう、人材を育てる。
というのが、会社の新たな方針らしい。
次の打ち合わせには、
課長は参加すらしない。
新たな打ち合わせメンバーは、
わたしが見えないことを知っているが、
知っているだけだった。
人によっては、
わたしのほうすら見ずに、
画面を指差し、指示語だけで考えを話し始める。
他部門も交えて集まり、話は進んでいくが、
正直、想像力だけでは限界があった。
話をまとめたり、確認を入れたりしながら、
内容を言語化し、
わたしの理解度を周囲に伝えつつ、
無理やり会議に、自分をねじ込んでいく。
こちらも、報告をしなければならない。
「何もわかりませんでした」では、困るのだ。
めまいがする。
目が痛い。
頭も痛い。
頭痛の痛み止めが、効かない。
漠然と、
「このままでは、まずい」
と感じるようになった。
図の多い資料が、
目で見て理解できない。
話を聞いても、指示語が多くてわからない。
打ち合わせメンバーの、
誰一人、全体像がわかっていない。
打ち合わせのたびに、人が増えていく。
話はどんどん膨らみ、
なぜそんなことになるのかと、
課長の叱責が飛ぶ。
どれだけ説明を尽くしても、
わたしの不安は、課長で止まる。
上長たちが、
笑顔で「うまくいきそうだ」と
話をしているのが、聞こえる。
耳鳴りがする。
先が見えない。
頭痛が、止まらない。
朝、目が覚めた。
目覚ましは、まだ鳴っていない。
今日こそは、
打ち合わせについていけるようにしないといけない。
資料の図の部分を、
経験と予測、
複数のツールを組み合わせて、
少しだけ解読できた。
見えないから、できません、
なんて言えない。
どうにかして、やらなければならない。
目覚ましが鳴っている。
起きなければならない。
会社に行かなければならない。
目が痛い。
疲労感が、抜けていない。
担当者としての、責任がある。
行かなければならない。
そこまで考えているのに、起き上がれない。
目が痛くて、開けない。
二日酔いとは違う、頭痛がする。
寝返りすら、体が重い。
起きられない。
動けない。
「申し訳ありません。
体調不良のため、午前休をいただけますでしょうか」
這いつくばるようにして、PCに向かった。
課長へ、チャットを送る。
「上に報告しないといけないので、
体温や状況を教えてください」
冷たく、
関心のなさそうな文字に、頭が真っ白になる。
何と言えばいいのか、わからない。
熱は、ない。
ただ、動けない。
嫌な汗が、流れる。
息が、しづらい。
「ただ、動けない」
そう言うしか、なかった。
何を、どう言って休んだのか。
記憶が、ない。
気づけば、
一日休みをもらっていた。
行かなくて、いい。
そう分かった途端、
急に、不調が楽になった。
4.切れた弦
「適応障害の症状ですね」
心療内科で、そう言われた。
責任を放棄するような怠け者ではなかったのか。
少し、安心した。
頭痛も、めまいも、心理的なものだという。
働き続けるには、一旦離れるのが良いらしい。
何から離れればいいのかは、わからなかった。
休むなんて、できない。
責任を持って、仕事を進めなければならない。
歯を食いしばるしか、浮かばなかった。
休むことには、抵抗がある。
怠けたくない。
今、休んだら二度と戻れない気がした。
張り詰めた糸を、切る怖さ。
演奏中に切れるギターの弦が、浮かぶ。
切れたら、元の音には戻らない気がした。
会社からも、休職を勧められた。
そんなに、わたしは役立たずになってしまったのかと焦る。
薬で調整しながら、仕事を続けたいと訴えてみる。
だが、
「今は混乱しているだけだろう」
そう言われて、流された。
「俺だって行きたくないな、と思う日はある」
「わかるよ」
「俺の場合は、ただ責任が勝っているだけ」
「一旦休んでから考えたほうがいい」
「君の席は、なくならないから」
言葉は、穏やかだった。
それでも、
責任感のない、弱いやつだと言われた気がした。
頭が、くらくらする。
「どうして休まないんだ」
医者の声が、責めるように響く。
目の前が、真っ暗になる。
自分では、決められない。
これ以上、迷惑をかけたくない。
促されるままに、
休む決断をするしかなかった。
目が覚める。
今日から、休んでいい日のはずだった。
初日は、罪悪感から始まった。
自分は、責任感のないやつだ。
流されるままに休みをもらい、
働きもせず、
すべてを投げ出して、
迷惑をかける最低な人間だ。
なんで、休んでいるんだろう。
こんなにも、健康体なのに。
世の中には、もっと苦しい人がいるはずで。
自分は、目以外は、こんなに健康なのに。
なんで、横になっているんだろう。
同僚や、上司に迷惑をかけてしまった。
今、だらけたら、
元に戻れなくなるんじゃないか。
何か、しないといけない。
勉強でもいい。
復帰したあとに役に立てるように、
何か身につけて、
意味のある休みにしないと、申し訳ない。
寝ていてはいけない。
休んでいる場合ではない。
1ヶ月間、休みのはずなのに、毎日PCに向かっていた。
やはり、休むべきではなかったのかもしれない。
気を紛らわすように、何か作業をしていないと
不安に押しつぶされそうな気がする。
わたしのギターの弦は、まだ切れていないはずだ。
5.好きなことをしなさい
「仕事から離れて、自分の好きなことをしなさい」
医者にそう言われてしまった。
仕事につながる勉強では、休みにはならないらしい。
何をすれば良い?
わたしは、何が好きだったんだろう。
やることがなくなったわたしは、再び横になった。
なんで、休んでいるのだろう。
何をすれば良いのだろう。
外には出たくない。
周囲から、働いていないことがバレてしまう――
それは、恥ずかしい。
ちゃんとしなきゃいけない。
仕事の定時を過ぎるまでは、買い物にも行きたくない。
在宅で仕事をしている、と言い訳できないと、外には出られない。
目が覚めた。
日はまだ上がっていない。
眠れない日々は続いていた。
夜中に何度も目が覚め、朝早くに目が覚める。
健康的に、ちゃんとしつつ、人に隠れて行動する方法を思いついた。
どうせ眠れないのだ。
朝早くに、歩いてみよう。
外に出た。
真っ暗で、心地よい。
こんな時間に歩く人は、ほとんどいない。
会社を避けるように、反対方向へ歩く。
今、この瞬間には、自分しか存在していない気がした。
本当は自分だけが立ち止まっているのに、
今だけは、自分だけが動いている。
音楽が聴きたい。
静かで暗い世界の中、ふとそう感じた。
そうだった。
わたしは、楽器を触るのが趣味だったはずだ。
帰ったらギターを引っ張り出してみよう。
キーボードでもいい。
久々に曲を作ろう。
なんだか、気持ちが少し乗ってきた。
空が白み、太陽が顔を出し始める。
ふと、人にすれ違った。
息が詰まりそうだった。
寝癖で、つっかけ姿の自分を思い出す。
ちゃんとしなきゃ、外に出てはいけない。
何を浮かれていたのか。
鼓動が早くなる。
早く、家に帰らなきゃ。
ちゃんとしている人は、こんな時間に、こんな格好で出歩かない。
歩くのは、だめだ。
ちゃんとしなきゃ、外に出てはいけない。
恥ずかしい。
見えないことで、誰かに迷惑をかけてしまうかもしれない。
一人がいい。
家の中なら、安全だ。
何かしなきゃいけない。
そうだ、楽器を触ろう。
曲を作るんだ。
目が覚めた。
結局、何をやっても気が乗らなかった。
指が、動かない。
音が、前に進まない。
作ろうとした曲に、勢いがない。
気に入らない。
何度やっても、気に入らない。
何もできない。
こんなにも、体は健康なのに。
いったい、何をやっているんだろう。
なぜ、何もやれていないのだろう。
なぜ、ちゃんとできないのだろう。
生きていること自体が、
恥ずかしい。
6.冒険の視点
目が覚めた。
悩んでいるうちに、いつの間にか眠っていたらしい。
心配した同僚から、連絡が来ていた。
何も言わずに休んでしまった。
彼はわたしに悩みを打ち明けてくれたのに、わたしは何も言えなかった。
酷いやつだと思う。
食事に行くことにした。
ちゃんとしている自分を装うため、念入りに準備した。
鏡の前で、笑顔を作る。心は笑っていない。
彼は優しく、わたしの体調には触れず、近況を報告してくれた。
「いやー、医者の指示で休みをもらったけど、軽いから来月には復帰できると思うよ」
根拠なんてない。自分でも分かっている。
それでも、私は笑顔を作る。元気そうな自分を演じてしまう。
「休んでいる間にゲームとかどうですか?」
気軽に、懐かしいRPGを勧めてくれた。
私たちが小学校の頃にやっていたゲームだ。
私は結末を知らない。
「今なら安くなってるんですよ」
小さなセールの言葉に、なぜか負けて買ってしまった。
その日から、私の冒険は始まった。
実際には引きこもっているのに、
心だけが、少し浮き足立っていた。
懐かしい。
フルボイスで、
文字を追わなくても物語が流れてくる。
そこに、同僚の優しさがあったのだと、
あとから気づいた。
ゲームの中で、少年は知らない世界に飛ばされていた。
自分だけが、何も知らない。
そんな中で、仲間を見つけ、
少女を守ろうとする。
周囲に迷惑をかけながらなんでこんなに意見を言えるのかわからない。
ゲームだからと言えばそうなのだろう。
論理的でもないし、行き当たりばったりにも程がある。
仲間が優しすぎる
なんでこんなやつを旅に加えてるのだろう。
そうか。
できないことが多くて、
他者に迷惑をかけながらでも、
何かをやろうとして、よかったのかもしれない。
無理なことは、無理だと言ってもよかったのだろうか。
それでも、
自分には何を返せるのだろう。
少年は、ノープランのまま、
少女を守ろうと必死に戦っている。
何も知らずに。
知らないからこその視点で、
少女を助けていた。
知ってしまった少年の苦しさにはグッとくるものがある。
知らないがゆえに言ってしまった言葉の数々。
知らなかったからゆえに少女の支えになっていたのも事実。
それぞれ捉え方は違う。
人には、それぞれ視点がある。
私は、
見える人の世界を、必死に想像してきた。
では、
私の視点は、誰が想像するのだろう。
誰が、言葉にするのだろう。
私の視点は、
私にしか、言葉にできない。
私にとって、目が見えないことによる強みは、
イメージを言葉にする力だと思う。
話を整理し、順序立てて、
認識合わせを言葉で行うこと。
目の見える人たちが、
図を見ながら「なんとなく」で流していることを、
私ははっきりと文章にしなければ、理解できない。
だからこそ、言語化する。
言語化すればするほど、曖昧な部分は削ぎ落とされていく。
ならば、私は、言語化していくしかない。
私は、私の視点で、
これまで通り話をまとめ、認識合わせをすればいい。
そのためには、
「見えない」という事実を、もっと伝えなければならない。
そして、私に分かる形で説明を求めなければ、
仕事の精度は上がらない。
ゲームには、百五十時間かかった。
すべての要素を回収することは、できなかった。
それでも、最後のボスまで辿り着き、
少女を、守り抜いた。
少年は、消えてしまった。
少女には「消えるな」と言っておきながら、
彼は、消える道を選んだ。
わがままだと思う。
でも、そのくらいのわがままは、
許されてもいいのかもしれない。
言わなければ、伝わらないのだから。
だから、わたしは言語化していこうと思う。
もう少し、わがままになろうと思う。
だって、視力なんて、
たいして残っていないのだから。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
自分に向き合う大切な時間だったと思います。
事実を元にとは言っても、話をわかりやすくするために人物が数名フュージョンしていたりします。
万が一特定してしまっても、彼らの言葉そのままではありません。
復帰編をいつか書きたいなと思っています。
その時はまたよろしくお願いいたします。




