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9. やばい

「緊急事態じゃ。すぐに皇太子のもとへ向かうぞ」


「へっ?」



 謁見の間に来て、ラナ様が先程の会話を陛下に伝えると陛下は開口一番にそう言いました。



「いや、ここで待っていたほうがいいのか?」



 ぶつぶつと何か言ってますっ。怖いです!



「陛下、恐れながら発言許可をいただけますでしょうか?」


「うむ」


「あの皇太子殿下でしたら、きっとしばらく我が国に滞在すると思われます。帝国にすぐに行くよりはここで待ち、私たちは何もしないのが得策だと思いますわ」



 ら、ラナ様?何をおっしゃっているのですか..?



「うむ、確かにそうだな。触らぬ神に祟りなし、それで行こう。報告、ご苦労であった」


「いえ、お手間をおかけしまして申し訳ありません。では御前失礼いたします」



 ?、??、?ど、どうなったのですか?



「ほら、アマリリス、行くわよ」


「はっはい!」



 ど、どういうこと~?!!


─────

従者side


「...なるほど。俺のリズが逃げたいとか何かと思ったら、釣り合わない?ふぅん」



 目は薄く細めて口の両端は上がっているのに、有無を言わせない凄みがある。

 いや、そんな事はどうでもいい。この主人が"俺"を使う時は決まって機嫌が悪すぎるか、キレているかのどちらかだ。つまり今最優先すべきは、主人の思考が危険な方に行かないようにすること。



「殿下、抑えてください」


「わかっている」



 ....絶対にわかってないだろ..

 皇太子の乳兄弟であり、幼馴染でもある従者はそうため息をつきたくなるのをグッと堪える。


 まあ、今に始まった事ではない。

この主人、普段は冷静沈着、よほどのことでなければ感情がミリも動かないくせに、婚約者様のこととなると、途端に理性を飛ばす。



「..チッ」


「いや、ほんとに抑えて」



 婚約者様は、駆け落ちとかしてして逃げた方が、身のためかもしれないなぁ。

 .....逃げ切れる保証はどこにも無いけど。

てか監禁されそー。


主人の重さとは裏腹に、従者は大分軽いのであった。

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