第八話 領主様に謁見です!?
領主様が待っている、と言って連れて行かれた部屋は、二人で話すのにちょうど良いくらいの大きさでした。
多分、他のお客様が来たときにもここに通されるんでしょうね。そのためだけに作られたような部屋ですもん。
「お前が、ワイバーンの群れを討伐した冒険者だな。礼を言う」
…………なんですか、それ。たぶんですが、お礼を言うべき相手にお前呼びは、失礼なのでは?
「何をしているのです、ルルカ。態度を改めなさい。
この度は、我々の乗っていた馬車を襲おうとしているワイバーンを討伐していただき、ありがとうございます。それに加えて、長年問題になっていた、ワイバーンの群れまで討伐していただけるとは」
隣の女の人は奥さんですかね。この人は常識人みたいです。やっぱりそれ、常識ですよね。
「すまなかった。ワイバーンの群れを討伐してくれたそなたに、心からの礼を言わせてもらう」
「いえ、礼など不要です。私は冒険者としての依頼を果たしただけなので。他に何か御用はありますか?」
できるだけ早く帰りたいので、昼食などを誘われても断る予定ですが。
「あぁ、それを忘れていました。あなたに受けていただきたい依頼があるのです」
「どうしてここで言うのですか?ギルドに特別依頼として出せば良いのでは?」
特別依頼として依頼すると、受ける人に制限を設けることができる。たとえば、優秀な冒険者に依頼したいお貴族様とか。
「っ!……実は依頼というのは、この屋敷に出る幽霊を退治していただきたいというものでして……これをそのまま依頼としてギルドに回すと、この家はそんなこともできない騎士しかいないのか、と舐められてしまうので……。
ちょうどあなたが私達を助けてくださいましたので、屋敷に呼んで依頼しようと思いまして」
ちゃんと理由があったのですか……。しかも、この家の威厳に関わるとなれば、そうせざるを得ないでしょう。
「あの……受けていただけますでしょうか?このままだと、夜も眠れないのです」
「うぅっ。分かりました。この依頼、受けさせていただきます」
「ありがとうございますっ!!報酬は金貨500枚でいかがでしょう!」
そういえば、依頼料を聞いていませんでしたね。このままだと、騙されてしまう可能性がありました。これからは、金額も確認したうえで検討しましょう。
…………金貨500枚ですか!?流石貴族様ですね……。
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