第六話 依頼の報酬、なのです!
「──ということがありまして……」
ただいま、ギルマスに依頼で何があったか、説明しています。
ギルドに帰って解体所にワイバーンをたくさん出したら、ギルマスがめっちゃ驚きまして。すぐにギルマスの執務室に連れてかれました。
「亜竜は1匹だって聞いていたんだがな。20匹以上の群れが襲ってきたとなれば、危険度は何倍にも跳ね上がる。もしかしたら、お前かアイスを狙ってるやつがいたのかもしれんな」
「なっ!?」
私が狙われる理由なんて、塵ほども無くないですか!?……強いていえば、異世界から来たっていうことはありますけど。
それにしても──
「──私とあのSランク冒険者さんが登録したのって、最近ですよね?本当に犯人が私か彼女が狙いだとしたら、その情報を持っている人に犯人は絞られるんじゃないですか?」
アイスさんの情報だけ持っている人が、アイスさんを狙ったのかもしれないから、わからないけどね。
「だな。アイスはともかく、お前はこれが初依頼。お前のことを知っている人も、まだ少ないはずだ。未だにアルカをこの街の最高ランクだと思ってるやつも少なくないしな」
「アルカさん、ですか。アイスさんが来る前はこの街の現役の最高ランク冒険者だった人ですね」
「あぁ、アイスに斬り掛かって、犯罪者として捕らえられた。アイスのやつ、アルカを止めた上に剣まで落としてたよ」
「マジですか。私もそのくらい強くなったら貧乏じゃなくなりますかね」
「いやお前、もうそのレベルには到達してるだろ。永時間アイスと互角に戦ったって聞いたぞ。
……それに、今日の報酬すごいぞ。なんせ、ワイバーンの群れを討伐だ。素材の売却と報酬額の上乗せも合計したら、半年くらいは何もせずに暮らせるぐらい」
「……マジですか」
「マジだ」
「……どのくらいですか」
「金貨500枚くらいだな」
「…………ヤバいですね。下手したら1年くらい暮らせますよ」
「高ランク依頼は受けてくれよ」
「……はい。家買いたいので」
「……あ、あと、お前の収納魔法ならワイバーン、劣化しないんだろ?一気に売ると値崩れするから、1匹ずつ売って欲しいんだが」
「あ、良いですよ。今日も1匹だけにしておきますね」
「…………何体ぐらいいる」
「……30くらい、ですかね」
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