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オックスフォードへ  作者: 樫山泰士
9/21

その9:自宅の居間

「先生、地震の時はどちらに?」セールスマン氏が訊いた。

 チョコとコーヒーに気を取られていたヘンリーは、若干むせながら、

「じ、自宅の居間で、仕事中でした――」と、答えた。「幸い、私の住んでいるエリアはそれほど揺れなかったので―ー」

「義母のアパートは、また、大きく揺れたそうでして――」と、セールスマン氏。客室乗務員にアップルジュースのお替りを頼んでいる。

「また、あの数日前から風の強い日が続いていたのも悪かったんでしょうね――」氏は、そう言ってから、受け取ったばかりのお替りを一気に飲み干し、「――で、この箱ごと、植木鉢も何もかも、全部落ちちゃったんですよ」と、言った。「――その裏通りに」

「それは――」と、ヘンリー。何と返すのが正解かは分からなかったが、手元のコーヒーは十分に冷めたようだ。「それは――残念でしたね」

「ペチュニアたちも落ちながら思ったんでしょうね――」と、思い出し笑いのセールスマン氏が言った。「『――まいったな、またか』って」

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