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魔女の暇つぶし  作者: 汐 ユウ
1年生編7月
15/53

◆夏休みまであと少し

「廊下めっちゃ暑い……」


 海は暑さに弱く、寒さに弱い。基本的に温室育ちであるため、気温の変化に弱いのだ。その上、日本の夏は暑い上に湿気がすごい。気持ち悪い。


 期末考査後は授業がないため、答案返却はそれぞれ時間が設けられた。全ての答案返却が終わった本日は、前半が交通安全講話、後半が校内の大掃除である。毎日行う清掃は、当番制で掃き掃除程度であるが、大掃除は床や窓の拭き掃除も加わる。教室内も窓は全開にしているものの、エアコンを稼働させれば

涼しい風に当たることはできる。


「うみちゃん、やらないと終わらないよ」


 廊下にエアコンはなく、風邪の通りも悪いので暑い。


「掃除って業者がしてくれたりしないの?」


「公立高校だよ。そんなお金ありません」


「文化祭にあんなお金出すのに……」


 文化祭実行委員会という立場により、一クラスあたりの予算、文化祭自体の予算も海は把握している。清掃業者への依頼料がいくらかは知らないが、この一回分は間違いなくまかなえるはずだ。


「文化祭と掃除のどっちにお金をかけるかって言ったら、みんな文化祭だと思うよ。ほーら、手を動かして」


 涼子が散らかし放題にするため、部屋の片づけは海の担当だ。しかし、片づけに関しては海も得意ではないので、人間界であっても魔法を使う。


「侑希ちゃんは真面目だなぁ」


「うみちゃんが不真面目なの」


 魔女の中では真面目なタイプだと自負しているつもりだ。


「でもさ、学校にも掃除機を導入してもいいと思わない?」


「うーん、それは分かるかも。涼子ちゃんに頼んでみたら?」


「あいつに頼んだら、それこそクラス費持ってかれるわ」


 支給された雑巾で窓を拭いても拭いても毛が残り綺麗にならない。


「窓を拭くのに向いてないよね?」


「もう、口より手を動かして!」


 このクラスだけではなく、学年全体が夏休みを前にして浮かれムードなのに関わらず侑希は掃除に対して真摯に向き合っている。


「あら、まだ七組は掃除終わってないんですの?」


「涼子。お前、どうせ掃除してないだろ」


 八組は掃除を終え、部活動組は外へ、文化祭準備組は教室に残り作業を進めているようだ。涼子もおそらく生徒会へ向かうついでに海たちに声をかけたのだろう。


「失礼ですわね。私だってゴミくらい捨てられますわ」


「暇なら七組手伝ってくれ」


「あいにく暇ではないので。侑希、そんなに真面目にやっても大して変わりませんわ。適度に手を抜くのも社会に出たら大事なことですわよ」


 侑希の雑巾を長い手で取り上げ、海に投げつける。


「ちょ、きたなっ」


「カイはそれ洗っておいて。二人共、学園生活は有限なのよ?」


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