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小品

擬態

作者: 星野☆明美

私の特技は他人にそっくりに擬態することだ。


大学でアツアツカップルを見かけてだーんぜん羨ましくなっちゃった!

「いい子だからそこで待ってなさい」

「もがふがもが」

さるぐつわを噛ませて、ロープでぐるぐる巻にしてあんまり人のこない研究室のロッカーに押し込む。

フンフンフン。フフフフーン。

彼女そっくりに擬態して、彼女の洋服や持ち物持って準備完了。


「ふうまくーん!待った?」

「いや」

彼氏のふうまくん。いい男!僥倖僥倖!

「どこ行く?」

「洋服見たい」

「わかった」

「ねー、この服どう?似合う?」

「そーだなぁ」

ふいにふうまくん、眉を寄せてつかつかと近づいてきた。

がし。

私の顎を右手で掴み、じろじろ顔を見る。

「え、えへ」

「お前、誰だ?」

「あなたの彼女」

「ウソこけ」

「…なんで?」

「そのくらいわからいでか」

不機嫌。

あーあ。

すきをみて逃げ出した。

それでも、わずかでも恋人気分味わえて良かったよ。


彼女を解放してあげて、その時も別人のふりしてた。

本当の私は、たとえどんなに姿が移ろいでも、ここに、この胸に息づいている。


また気が向いたら誰かのふりしてその人の人生垣間見ようかな。

明日はあなたのそばにいるかもよ?

クスクス。クスクスクス。

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