表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放任魔王の成長記    作者: 魚っ平
4/11

稽古

今朝ロールが俺から離れずに部屋から動けなかったが

なんとかケールとベールによって解放された

二人はロールを引きずりながらルルシーラさんの元へと戻っていき

俺はセシアを呼ぶ


「セシア」

「...お呼びでしょうかリュート様」


セシアは音もなくいきなり現れた


「ちょっと相談があるんだけど」

「...どのような」

「君の強さを見込んで俺に修行をつけて貰いたい」


この間のことを反省してもっと自分を見直そうかと考えていた

セシアはあの獣人を一撃で倒してしまうほどの実力をもっているのは知っている

だからセシアに頼むのだった


「...リュート様には護衛の私が着いているんでそのようなことはしなくても」

「いや、いざとなった時自分の身は自分で守れるようにしたい」

「...分かりました、お父様に進言しておきます」


そう言ってセシアはまた姿を消した

俺は身支度をして部屋で待っていると


「...リュート様、お父様の許可が下りました、稽古場へ向かいましょう」

「わかった」


セシアと共に俺は稽古場へと向かっていく


城の稽古場へと着くとそこにはロバートと2人の兵士が立っていた


「リュート様お待ちしておりました」


ロバートが俺に気づくと二人の兵士は頭を下げる


「こちらは私の見込んだ者達です」

「俺は魔王城第2兵団体長ザック・カーフットだ よろしくな坊ちゃん」

「私は魔王城魔術騎士団体長ベクター・ヴェルナークと申します」

「ヴェルナークって」

「はい、いつもエードがお世話になっております」


体系がごつい方がザック、眼鏡を着けていて落ち着いているほうがベクター

ベクターさんは俺の古い友人でもあるエドの父親らしい


「ザックは接近戦をベクターは魔術を得意とする魔人です」

「接近戦と魔術」

「試しに相手をしてもらいましょう、ザックまずは貴方から」

「おうよ、坊ちゃんまずは着替えてきな」


ザックさんにそう言われて別室で汚れてもいい服に着替えた


「さぁて坊ちゃん遠慮することはねぇ全力でかかって来な!」

「よろしくお願いします!」


俺は稽古場の真ん中でザックさんと向かい合い攻撃の構えをとる


「...それでは始めてください」


ロバートが試合の開始を言うと同時に俺はザックさんに向かって接近する


「うおおおおおおおお!」


雄たけびを上げながら俺は拳に魔力を溜め胸元目掛けて振るう


「いいねぇ!来い!」


ドスン!!と大きな音を立ててザックさんの胸に拳が当たる

しかしビクともしない


「嘘だろ!」

「筋は悪くねぇが...」


ザックさんは笑みを浮かべながら立っていた

次の瞬間腕に魔力が集まるのを感じ取った

俺は距離をとるように後ろに飛び移る


「咄嗟に距離をとったのはいいが」


ザックさんは目にも留まらぬ速さで俺の目の前に近づく

腕を交差してガードの構えした


「そこじゃねぇ!」


ドスン!と脇腹に衝撃が走り俺は右方向に飛ばされる

何度も転げながら体制を立て直すように立ち上がる


「はぁはぁ たった一撃で」

「まだ立ち上がれるなら頑丈さは合格ってとこかな」


俺はザックさんと距離をとりながら息を整える

下手に近づくとまた攻撃が来るかといって離れていても攻撃ができない

どうすれば


「坊ちゃんよ、接近戦ってのは近づかなきゃ始まらないぜ」


ザックさんはその場から動かないで俺に声を掛ける

俺はザックさんの背後に回ってからまた拳に魔力を溜めてまた接近した

しかし俺は途中で脚を止めて


「...もう逃げるのはやめだ」

「...いい目だ」


ザックさんは振り向いて俺に近づいてくる

俺からも近づいてお互いの攻撃範囲に入る


「逃げてばかりじゃ戦いにならないよな」

「そうですね」

「そんじゃいくぜ!」


ザックさんは拳を俺の顔面目掛けて振ってくるが加減をしているのだろう

俺は守りの構えを取らずにそのまま一歩前へと踏み込む


「うおおおおおおお!」


拳をギリギリの位置でかわしながらザックさんの胸 腹に連打する


「いいねぇ!そうこなくちゃ!」


ザックさんはもう片方の拳で攻撃をするがそれを潜り抜けながら攻撃の手を休めない


「うおおおおおお!」


息の続く限り連打を繰り出した

しかしザックさんはまったくダメージを受けている感じはしない

そして俺は体力が尽きて力ない拳を最後に胸へ当てる


「...もう終わりかい?」

「はぁはぁ そうですね」

「ロバートさんよ、俺との戦いはこれで終いだ」

「...分かりました、二人とも離れて」


俺は肩で息をしながらザックさんから離れる


「ありがとうございました」

「あぁ」


一礼してザックさんはロバートの元へと行きベクターさんが入れ替わりで

俺の前へ現れる


「次は私がお相手いたします」


ベクターさんがそう言って俺の方へ手を掲げて


「魔力供給」


そう言って俺へ魔力を注入する

体の痛みが引いてきて魔力が戻るのが感じ取られる


「さて、私との稽古は魔力の使い方です、接近戦でもいいですができれば魔力で戦闘をしていただきます」

「わかりました」

「...それでは二人とも...始めてください」


ロバートの掛け声で俺は先制をとって魔力の塊をぶつける


「魔弾!」


3発魔力の塊を勢いよくベクターさんへ飛ばす

だがベクターさんへ届くことなく魔力障壁で弾かれる


「ただ魔力を固めて飛ばすのは意味がありません、こうするのです」


ベクターさんは魔力の塊を鋭利な棘の形にして飛ばしてくる

俺は飛んでくる鋭利な魔弾をかわしながら魔弾をまた飛ばす


「リュート様、イメージしてください」

「イメージ?」

「相手の壁を貫ける魔弾をイメージして飛ばすのです」


俺はベクターさんの言ったとおりイメージするがこれがなかなか難しい


「魔弾!」


魔力の塊をまた飛ばすがすぐ元の形に戻ってしまう

ベクターさんに届くことはなく弾かれてしまう


「まぁいいでしょう、次は拘束魔術です」

「はい!チェーンバインド!」


魔力でできた鎖がベクターさんの足元から出てきて体の自由を奪う

しかしその鎖はすぐに砕けてしまう


「チェーンバインド、肉弾戦を得意とするものかと思いましたがしっかりと魔術の勉強もしているようですね」

「一瞬でチェーンバインドを!」

「体に触れている魔術の魔力の流れを断ち切っただけですよ」


簡単に言うけれどとても難しいことだ


「チェーンバインドとはこうするものです」


ベクターさんがそう言って俺へ向かって魔術を放つ


「チェーンバインド」


俺の体を無数の鎖が縛りつけ同時に凄い力で足元のほうに引っ張られる

俺は膝を付きながら抵抗するが旨く体に力を入れられない


「相手を拘束すると同時にその拘束相手の魔力を掻き乱せば解除されることもありません」

「くっ!うおおおおおおお!」


俺は魔力に頼らずに自分の身体能力だけで立ち上がる


「なるほど、これほどの力があるのですね」


感心したようにベクターさんは俺を見ている


「しかしこれならどうでしょうか 重力増加」


ドシン!と俺の体に重みが掛かり足元が地面にめり込む


「うおおおおおおおおおおおお!」


俺は叫びながら抗うがどんどん体制が低くなり地面に膝が着いてしまう

やがて這い蹲るようにして俺は動けなくなる


「ここまでのようですね」


ベクターさんは俺が動けなくなったのを見て魔力を解除する


「はぁはぁ」

「お疲れ様でしたリュート様」


そういってベクターさんはまた魔力供給をする


「どうですかリュート様、この二人では力不足でしょうか?」


ロバートは俺に問いかけてくる


「いいや、十分すぎるくらい」

「そうでしょう、それでは明日からこの稽古場で特訓ですね」


そう言ってロバートは少しはにかみながらこちらを見てくる


「まるであの日を見ているようです」

「あの日?」

「はい、私と魔王様の幼き日のことです」


ロバートは俺の姿を見ながら昔の父さんとの思い出を重ねていたのだろう


「そんじゃ明日は朝から特訓だから早めに寝るんだぞ坊ちゃん」


そう言ってザックさんは先に稽古場を後にする


「それでは私の稽古はその後で行います、ちょうどいいのでエードも付き添わせましょう」


ベクターさんもそう言って稽古場を後にした

俺も疲れたから飯を食ったら自室に戻ろうと決めた

そんな俺をセシアはずっと鋭い目つきで睨んでいた

そんなことを気にせず俺も稽古場から出て行った


「...お父様」

「なんだセシア」

「...リュート様は本当に魔王の素質があるのでしょうか」

「...今のあのお方ではまだ魔王の器には程遠い」

「...私もそう思います、実力も魔術においても私が負けることはございません」

「しかしなセシア、今のリュート様を見ているだけではお前もまだまだだぞ」

「...それはどういうことでしょうか」

「あの方の底にある強さは多分お前よりも遥かに上だ」

「私よりも上...」

「もしかしたらその力に気づくのは早いのかもしれないな」

「...」

「ハーデスエス家を守るのが私達の務め、決して妙な事をするんじゃないぞ」

「...わかりました」



俺は自室に戻り寝支度をしてベットに横になる

すると城の中が少し騒がしい


「こんな時間にどうしたんだろう?」


少し聞き耳を立てると城の中から声が聞こえる


「門番の娘が城の中に侵入した!探し出せ!」

「どうやって私達の目を盗んで侵入したんだ」


城の中の兵たちがあの三姉妹の誰かを探しているみたいだ

まぁ次期に見つかるだろう

そんなことを考えながら瞳を閉じると俺の部屋の扉が勢いよく開かれる


「ななんだ!?」

「リュートさま~~!!!!」


暗い部屋の中俺目掛けて一直線に誰かが飛び込んでくる


「おわ!お前は」

「リュート様、私とご一緒に寝ることをお許しください!」


俺に飛びついてきたのはロールだった

朝の件といいなぜそんなに俺にくっ付きたがるんだ


「ルルシーラさんが心配するだろ?さぁ家に帰るんだ」

「嫌です!私はリュート様から離れたくありません!」

「でも城の奴らがお前を探しているぞ、ちゃんと断ってから入城しないと」

「...どうしてもリュート様に会いたくてつい飛び出してしまいました」


あまり無理に引き剥がすとまた騒ぎになるかもしれないからな


「わかった、城の兵には俺から言っておく」

「ありがとうございます!!」


ロールはとても嬉しそうな顔をしながら御礼を言う

その後城の兵に俺がロールの面倒をみるといって騒ぎを鎮めた

そしたら母さんが


「まだ幼い女の子なんですから問題だけは起こさないでください、ルルシーラには私から伝えておきますから」


と言い残して俺はそれがどういう意味なのかよく分からず自分の部屋に戻った

自室に戻るとロールが先に俺の布団に入って尻尾が布団の中で揺れていた


「リュート様の匂い...ウフフ」


俺に聞こえないような小さな声でロールがなんか呟いている

別に気にすることもなく俺は布団の中に入るとロールが俺の腕に自分の腕を絡ませながら

横になる

ロールはまた薄着でいた


「リュート様...」

「俺は明日も早いからすぐに寝るからな」

「はい」


そう言って俺は目を閉じる

ロールもまだ13歳ぐらいだから俺のことを助けてくれたお兄さん程度だと思っていると思うから

なにも問題はないだろ

今はそんなことよりも明日の稽古のことを考えていた


「...はぁはぁ///」


なんかロールが苦しそうに息を荒立てているから俺はロールのしがみ付く腕を払って

ロールに腕枕をする形で俺の体のほうへ寄せた


「リュ リュート様!///」


ロールは小さい声で驚いたように呟いたが俺はそれを気にすることなく

彼女の体温を感じながらその心地よさでいつの間にか寝息をたてていた


「...おやすみなさい...リュート様」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ